TSMCの進出に伴い、利用者が急増しているJR豊肥線について、熊本県は快速列車の運行や複線化などを含めた対応を、今後JR九州と協議していく考えを示した。木村知事は9月11日の報道陣の取材に対し、「豊肥線の輸送力の強化は必要。前向きに進めてほしい」と述べた。
民営化後に利用者2.6倍のJR豊肥線
JR九州によると、熊本-肥後大津駅間の一日の平均通過人数は2023年度1万2889人で、国鉄から民営化した1987年度と比べ、約2.6倍に増加。通勤時間帯の混雑率も135パーセントと、東京圏の平均混雑率を上回っている。
この記事の画像(4枚)熊本県は、TSMCを含む半導体関連企業の集積で周辺地域の交通渋滞が問題となる中、JR豊肥線の機能強化を有効策の一つと位置づけている。
熊本県は今後、空港アクセス鉄道を整備する予定で、さらなる利用者の増加が見込まれるとして、増便や車両を連結するなどの輸送力強化に向けてJR九州と水面下で協議を続けている。
増便や増結だけでなく快速や複線化も
熊本県によると、増便や増結以外にも速達性を確保するため、快速列車の運行や、現在、上下線の列車が同じ線路を走る『単線』を、将来的には複線にしたい考えで、今後、JR九州と協議を深めたいとしている。
木村熊本県知事は「交通渋滞を解消するためにも公共交通機関の充実は必要。JR豊肥線は今でも首都圏並みに高い乗車率を維持しているので、ぜひここは車両を増やしたり、増便したり、色々なパターンで運行していただくことで、より輸送力を強化していただくことが熊本の未来に必要だと思うのでJRには前向きに進めてもらいたい」と述べた。
(テレビ熊本)