2024年9月は、カレンダー通りのお休みの方であれば3連休が2回ある。9月16日(月)は敬老の日で祝日。22日(日)は秋分の日、翌日23日(月)は振替休日で2回目の3連休になる。気になるのは、3連休の天気の傾向と台風13号だ。

「台風13号」今後の動きは

台風13号は、13日(金)15時現在、日本の南にあって、この後も発達しながら北西へ進み、14日(土)~15日(日)、奄美・沖縄地方に接近し通過するおそれがある。

奄美と沖縄では、14日(土)~15日(日)は大荒れとなり、海上では猛烈にしける見込み。うねりを伴う高波にも厳重な警戒が必要。

また、猛烈な風が吹く見込みだ。飛来物によって負傷したり、走行中のトラックが横転したりするおそれもある。不要不急の外出を控え、屋内では窓から離れるなど暴風に厳重に警戒したい。台風の進路や発達の程度によっては、沖縄・奄美では15日(日)にかけて警報級の大雨や高潮となるおそれがある。

飛行機や船の便など交通への影響も考えられるので、3連休に沖縄や奄美方面への旅行やお出かけを予定している場合、最新の情報を確認し、予定変更や見直しなども検討して、安全で無理のないように過ごそう。

台風13号の進路予想図(13日15時発表・気象庁HPより)
台風13号の進路予想図(13日15時発表・気象庁HPより)
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一方で、夏の高気圧が日本付近に勢力を広げているため、台風が本州に近づくことはなさそうだが、台風からの暖かく湿った空気が日本付近に流れ込みやすい見込み。このため、大気の状態が不安定となり、14日(土)以降、全国的に変わりやすい天気になりそうだ。

敬老の日の連休は”変わりやすい天気”

14日(土)から15日(日)は、西日本や東日本では、大気の状態が不安定となるため、晴れる所が多いものの、突然の大雨や雷雨に注意が必要だ。外出には雨具があると良さそうである。

北日本では低気圧や前線の影響で、14日(土)から15日(日)を中心に天気が崩れそうだ。雨が強まることもありそうで、雨の降り方に気をつけたい。関東では16日(月・敬老の日)は雨雲が発達しやすくなるため、空模様の変化に気を配ろう。

また、3連休中も猛烈な残暑が続きそうだ。西日本を中心に日差しがでれば35℃以上の猛暑日となる可能性がある。こまめな水分補給を心がけ、できるだけ涼しい場所で過ごす、室内では適切にエアコンを使うなど熱中症対策も忘れずにしっかりしよう。

屋外でのレジャーは“天気の急変”に注意

3連休に山や川など屋外でのレジャーを楽しむ際には、天気の急変に注意が必要だ。

雨天時には登山道が“川”のようになることも…
雨天時には登山道が“川”のようになることも…

山では雷雨の危険があるため、事前に気象情報を確認のうえ、山に入るか慎重に判断しよう。万が一に備えて、避難できる山小屋の位置なども事前に把握しておきたい。

海や川などでも空の変化に気をつけよう。水は電気を通しやすく、雷が光ったり、鳴ったりしてから避難するのでは遅いことがある。落雷によって感電するおそれがあり、とても危険だ。雲の様子をこまめに見ておくとともに、遠くで稲光が見えたり、雷鳴が聞こえ始めたりしたら、すぐに海から上がって車や頑丈な建物に避難しよう。

川では、上流も含めた実況や今後の予想を確認することが大事
川では、上流も含めた実況や今後の予想を確認することが大事

川では自分のいる場所が晴れていても、上流の大雨で水位が急に高くなることがある。スマートフォンなどで雨雲レーダーをこまめにチェックして、上流も含めた実況や今後の予想を確認するようにしよう。

また、川の水が急に増えるサインを見逃さないようにしたい。上流の空に黒い雲が見える、ゴロゴロと雷の鳴る音が聞こえる、雨が降り始めたなどのときには、直ちに川から離れる必要がある。

川の変化にも気を配ることが大切だ。落ち葉や流木、ゴミが流れてくる、水が急に冷たく感じる、水位が急に低くなった、このようなときは川が増水するおそれがあるため、すぐに避難しよう。

ゲリラ雷雨に遭遇したら…

屋外では特に空の変化に気をつけ、積乱雲が近づくサインを見逃さないことだ。黒い雲が近づいてきた、雷の音が聞こえてきた、急に冷たい風が吹いてきたといった状況は積乱雲が近づいている兆しで、まもなく、激しい雨と雷がやってくる可能性がある。

もしゲリラ雷雨に遭遇したら、次のことを心がけよう。

ゲリラ雷雨に遭遇したら“早めの避難”を
ゲリラ雷雨に遭遇したら“早めの避難”を

●頑丈な建物に避難
発達した積乱雲は、大雨だけでなく、落雷や竜巻などの激しい突風をもたらすこともある。屋外にいる場合は、すぐに頑丈な建物に入り、2階以上の、窓から離れた所へ避難するのが望ましい。

●地下施設や水辺から離れる
大雨のときには、地下街や地下室、地下にある駐車場などのような低い場所は、水が流れ込む危険がある。また、橋の下も、川が急に増水するおそれがあるので絶対に避けてほしい。
地下にいると外の様子が分かりにくいため、雨が強まっていることや浸水に気づかず、避難が遅れるおそれがある。大雨になりそうなときは地下を避けるか、早めの避難を心がけたい。

●最新の気象情報を確認
ゲリラ雷雨は、ごく狭い範囲で短い時間に大量の雨が降るというのが特徴。特に屋外や外の様子が分かりにくい地下などにいるときには、雨雲レーダーをチェックし、今雨雲が発達している場所や今後の予想などを確認することだ。

8日、栃木・真岡市で開かれた野外音楽ライブの会場で、落雷によるとみられる事故が発生
8日、栃木・真岡市で開かれた野外音楽ライブの会場で、落雷によるとみられる事故が発生

●屋外のイベント会場などでも空模様に注意
黒い雲が見えてきたとか、雨雲レーダーを確認して大雨や雷などの危険がある場合は、早めに会場を離れる決断をしよう。混雑している場所で慌てて避難するのは危ないため、空の様子に気をつけ、早々に安全な選択をすることが重要だ。
もし、野外などで突然の雷雨に遭い、避難できる場所が近くにない場合は、しゃがみ込んで、耳をふさぐ姿勢を取ることだ。靴の両かかと同士を接触させ、つま先立ちで姿勢を保つようにしよう。落雷時に地面からの電流で感電することがある。地面に寝ころばない(特に腹ばい)ように気をつけたい。

秋分の日の連休は「秋雨前線」で天気崩れる

19日(木)頃から、秋雨前線が本州付近にのびてきそうだ。このため、次の21日(土)からの3連休はぐずついた天気になる見込み。

さらに、日本の南の海上に新たな台風や熱帯低気圧が発生した場合、南からの暖かく湿った空気の影響で秋雨前線の活動が活発になって、西日本や東日本にかけて雨が降り、太平洋側を中心に大雨になる心配がある。最新の気象情報を確認しよう。

最高気温は30℃に届かないところが多くなる。晴れ間がでれば、所々で30℃に届く可能性はあるものの、これまでのように35℃まで上がるような猛烈な暑さにはならない見込み。

次の3連休は猛烈な暑さは和らぎそうだが、秋雨前線の影響で湿気が加わるため、蒸し暑さは続くだろう。
【執筆:日本気象協会】

日本気象協会
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日本気象協会は1950年の設立以来、気象・環境・防災などに関わる調査解析や情報提供を行ってきました。2023年7月1日現在、355人の気象予報士が所属しています。
昨今、気象の激甚化や地球温暖化、エネルギー問題、情報化社会の進化、超高齢化・少子化社会の到来など、世の中の状況が大きく変化してきています。
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