新潟県内で被害額が増加している特殊詐欺。2024年は7月末までに96件、3億3511万円の被害が確認されている。県内に住む女性にかかってきた詐欺電話の実際の音声を入手した。相手を操る卑劣な手口とは。

70代女性への詐欺電話 やりとりは2週間にわたり…

詐欺グループ:おはようございます。東京地方検察庁の××です

女性:はい

女性のもとへ検察官を名乗る男から電話が(イメージ)
女性のもとへ検察官を名乗る男から電話が(イメージ)
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9月、新潟県内に住む70代の女性のもとにかかってきた東京地方検察庁の検察官を名乗る男からの電話。通常、新潟に住む人に県外の検察庁から電話が来ることはないが…

詐欺グループ:すみません、昨日キャッシュカードの撮影をお願いしたんですけれども

女性:すみません、はい

はじまりは約2週間前。女性のもとにかかってきた携帯電話会社の社員を名乗る女からの電話だった。

「あなたの電話番号が不正に登録されている」

その後、携帯電話会社を名乗る女から電話口で代わったのが、東京地検の検察官を名乗る男。捜査名目で銀行口座などの個人情報を聞き出されたという。

2週間にわたりやりとりを続け、女性に東京地検の検察官であると信じ込ませた男。

詐欺グループ:一度ですね、このカードが使えるか○○(女性)さん、確かめてほしいです

女性:あ、分かりました

詐欺グループ:番号覚えていますよね。暗証番号

女性:あ、覚えています

詐欺グループ:分かりました。では、本日○○(女性)さん名義の△△銀行から現金の引き出しを行ってください

女性:分かりました

現金の引き出しを要求…被害者の不安煽る手口とは?

そして、この日…ついに現金の引き出しを要求する電話がかかってきたのだ。

現金の引き出しを要求する電話が(イメージ)
現金の引き出しを要求する電話が(イメージ)

詐欺グループ:△△銀行の限度額いっぱい引き出してもらってもいいですか

女性:いっぱいって、いくらまで

詐欺グループ:50万円です

女性:そうですか!

男から一方的に続けられる不審な指示。ここから女性の不安をさらに煽ってきた。

詐欺グループ:いま、○○(女性)さん名義の△△銀行の口座は警察の監視下にあります

女性:はい

警察が実際に個人の銀行口座を監視することはなく、警察や行政の名前を出して信用させようとするのは、特殊詐欺の典型的な手口の一つだ。さらに…

詐欺グループ:で、旦那様に高額なお金を出したということがばれると、何か言われてしまうと思うんですね

女性:そうそう、はいはい

詐欺であることがばれないよう、家族も含め、誰にも言わないよう口止めをしてくるのも特殊詐欺の常套手段だ。

詐欺グループ:なので、申し訳ありませんが、ほかの方には内密にして、(現金を)近くに保管してください

女性:分かりました、はい

被害者の約6割は高齢者「まずは家族・警察に相談を」

女性がこの後、銀行へ現金の引き出しに行くため、家族に運転を頼んだことで家族が詐欺だと気付き、なんとか被害は免れた。

家族が詐欺に気付き被害免れる(イメージ)
家族が詐欺に気付き被害免れる(イメージ)

ただ、こうした特殊詐欺が県内では2024年7月末時点で96件発生。被害額は3億3500万円あまりに上っている。その被害者の約6割が65歳以上の高齢者だ。

県警本部生活安全部の齋藤浩志安全安心推進室長は「お金に関する電話、警察官・市役所騙りなど色々あるが、すぐに払わず、まずは家族や警察に相談してほしい」と注意を呼びかけている。

警察は相手との通話が自動的に録音される防犯機能付き電話機の利用なども呼びかけている。

(NST新潟総合テレビ)

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