2025年秋に開業予定の「イオンモール須坂」(長野県須坂市)。隣接する長野市の商店会などは客足の減少などに危機感を強めている。9月9日、市長に対し経済対策の強化などを要望した。
県内最大規模 2025年秋に開業予定
須坂市の須坂長野東インターチェンジ近くに開業する大型商業施設「イオンモール須坂」。
2025年秋のオープンに向け工事が急ピッチで進んでいる。
地上3階建てで、売り場面積は県内最大規模の約6万3000平方メートル。
この記事の画像(7枚)期待する県民も多くいるが、隣接する長野市の商店会などは「客の減少」や「労働人口流出」に危機感を強めている。
「イオンができることは脅威」
こうした中、9月9日長野商店会連合会など市内6つの商工団体が荻原健司市長に要望書を手渡した。
既存の店の支援のためキャッシュレス決済の還元などによる早急な経済対策、そして、雇用の支援策も求めた。
市が掲げているのは「共存共栄」。
要望を受け、荻原健司市長は「脅威ということかもしれないし、逆に言えばチャンスということかもしれない。皆さんとしっかり議論を詰めていく最初の出発点」と述べた。
長野商店会連合会の塚田篤雄会長は「イオンができることは脅威に思っており、須坂に一つの街ができるような感じ。長野市にお客さんをとめておきたい」と危機感をあらわにした。
20年ほど前にも長野市篠ノ井でイオンの大型店出店の計画があったが、当時は市内の商工関係者が反対し、市も「出店は困難」と判断して、イオン側が計画を断念した。
危惧…長野でも松本のような状況が
長野駅前の「善光寺口商店会」会長・原山明彦さん。今回、須坂市にイオンモールの開業が決まり、脳裏に松本市街地の状況がよぎっている。
「一時的な消費が向こう(須坂)に集中してしまうという心配、松本の例がある」と話した。
2017年にイオンモール松本が開業した後、松本パルコ、百貨店の井上が相次いで閉店を発表。長野駅前でも同じような状況が起きるのではと危惧している。
原山会長は「(長野と須坂は)離れてはいるが一時的な人の流れ、消費の流れが心配される」と、長期的にみて支援があるといいと話した。
イオンモール須坂の開業まであと1年ほど。
北信全体の活性化につながる対策が求められる。
(長野放送)