2024年8月の台風10号では、宮崎県内各地で竜巻とみられる突風が発生。気象台によると6つの市町で8つの突風被害が確認されている。宮崎では過去にも竜巻と見られる突風の被害が出ていて、特急列車が横転したこともある。
専門家は「宮崎は台風に伴う竜巻が最も発生しやすい地域」と指摘している。

話を聞いたのは、竜巻のメカニズムに詳しい防衛大学校の小林文明教授。
防衛大 小林文明教授:
宮崎で起こる典型的な台風に伴う竜巻が起こったといっても過言ではない。竜巻を生みやすい積乱雲が発生して、そこから竜巻が発生した。その積乱雲が並んだレインバンドが宮崎であれば東の方から入り込んでくる。
「レインバンド」が宮崎に…
竜巻は、台風の中心から200kmから600km離れたところにある積乱雲の列「レインバンド」でよく発生するという。台風の動きを見ても、このレインバンドが宮崎にかかっていることがわかる。

防衛大 小林文明教授:
レインバンドがちょうど宮崎平野にかなりの時間かかっていたということで、条件としてそろっていた。台風に伴う竜巻が1カ所ではなく次々積乱雲が入り込んでくるわけですから、場所を変え、時間を変え時系列的に起こったと。

宮崎では、2006年にも台風に伴う竜巻が発生し、列車が横転するなど被害が出ている。
小林教授によると、宮崎は日本で一番、台風に伴う竜巻が起こりやすい場所だという。

小林教授は「台風が接近することが多く、レインバンドが巻くようにして入ってきて竜巻の進行をさえぎるものが少ない平野が広がる宮崎は、竜巻が起こりやすい地域ということを県民に知ってほしい」と話す。
防衛大 小林文明教授:
台風の中心が近づく前、かなり離れていても竜巻が起こりやすいということが頭に入っていれば、自分の行動もより注意ができる。
(テレビ宮崎)