全国的にコメの品薄状態が続いているが、まもなく新米の本格的な出荷時期を迎える。コメの品薄はまもなく解消する見込みだが、価格の高騰が予想されていて、消費者・生産者ともに悩ましい日々が続きそうだ。
コメの品薄解消へ 新米価格は上昇の見込み
8月、新潟県三条市のスーパーで目の当たりにしたのは、コメが品薄になっている現実。「1人1袋の購入」と販売数に制限がかかっていた。
この記事の画像(5枚)新潟を含め、全国的な品薄状態となっているコメの現状について、坂本哲志農水相は9月3日の会見で「各産地の情報によると2024年産米の生育は全国的に順調に進んでいる。コメが品薄となっている状況は順次回復していく」と話した。
花角知事もコメの品薄状態はまもなく解消するとの認識を示している。「もう次々と今年のコメが出ているので(品薄の解消は)時間の問題だと思う」
ただ、JAがコメの出荷時に農家に前もって支払う仮渡金が引き上げられていることなどから新米の価格は上がる見込みだ。
坂本哲志農水相は「新米の価格については、この品薄状態であるので、平年よりも多少の割高感はあると思っている」と話す。
2023年の猛暑・水不足による品質の低下で農家は大きな打撃を受けてきただけに、花角知事は「生産者にとっては非常に励みになる米価になってきたのではないか」と話した。
価格上昇に懸念の声も「売れ残るのが心配」
こうした中、県内の有数のコシヒカリの産地・南魚沼地域で開かれた米懇談会。
全農新潟県本部の町田孝米穀部長は「令和6年産米については、去年のような作柄にはならない。作柄の回復が見込まれているので、我々としてはさらなる集荷の積み上げを図っていきたい」と話した。
大きな期待を背負い、販売されるコメの価格については、資材価格の高騰や近年の米価の低迷で営農の継続が危ぶまれていることなどを考慮し、設定することが確認された。
ただ、魚沼米対策協議会の柄澤和久副会会長は「今年産の銘柄の価格については大規模な生産者からはすごく歓迎をいただいているが、逆に言うと価格が上昇しすぎて売れ残るのが心配との声もある」との懸念も示した。
コメの価格高騰を懸念する消費者とコメの売れ残りを心配する生産者。
コメをめぐる騒動は品薄状態が解消されても、しばらくは続きそうだ。
(NST新潟総合テレビ)