鹿児島で28日、台風による高潮特別警報が発令され、特に枕崎エリアでの大きな高潮の可能性が懸念されている。
台風特別警報は、気圧や風速によって発表され、「波浪」、「暴風」、「高潮」の警報とセットで出されることが多いという。

鹿児島に“高潮特別警報”…過去に歴史的な台風被害も

ここからは、台風特別警報についてくわしく解説する。

青井実キャスター:
ーー立石さんは鹿児島の出身です。鹿児島はこれまでも何度も台風が直撃していますが、今回は特に心配ですね?

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フジテレビ・立石修解説委員室長:
高潮特別警報が出ましたが、鹿児島の西側、枕崎のエリアなどは、東シナ海からの強烈な風が何にも遮られずにダイレクトにたたきつけてくるため、港で大きな高潮が起きる可能性が非常に高いです。

これまでも、戦後まもなく「ルース台風」や「枕崎台風」といった歴史的な台風に襲われていて、多くの高潮による被害が出ています。今回の台風は、それを上回る風速だといわれていて、地元の方は非常な警戒が必要な状況になっていると思います。

青井キャスター:
鹿児島に出されている台風の特別警報は、過去に3回しか出されていないということですが、大雨の特別警報との違いを見ていきたいと思います。

鹿児島全土で大きな被害になる危険性

木村拓也キャスター:
台風特別警報は、主に台風の中心気圧と風が基準となります。

台風特別警報の基準
台風特別警報の基準

中心気圧930hPa以下または、最大風速50m/s以上であるという基準です。台風の特別警報というのは、「波浪」と「暴風」と「高潮」の3つがセットになってくることが多いです。

また、大雨特別警報は台風と少し異なっていて、別で出てくるものになります。最大の違いは、発表のタイミングです。台風特別警報は、進路や勢力が分かってきて、状況が悪化する12時間前に発表されます。

一方で、大雨特別警報は、すでに当該地域で大雨が降っていて、災害になっている危険性があるなど、状況が極めて悪化した状態で出てくるものです。そのため、このあと別に鹿児島や宮崎などの地域に大雨の特別警報が出る可能性があります。

「平成5年8月豪雨」による被害(1993年8月)
「平成5年8月豪雨」による被害(1993年8月)

立石修解説委員室長:
鹿児島という場所は、全土に火山灰でできたシラス台地が広がっています。非常に水はけは良いですが、土砂災害を起こしやすいという性質があります。

平成5年(1993年)8月にも、大雨で鹿児島全土で大きな被害が出たことがあります(平成5年8月豪雨)。今回もこのクラスになる危険性があると思いますので、ハザードマップなどで自分の住んでいるエリアの状況をよく確認をしておくということが大事になるかと思います。
(「イット!」 8月28日放送より)

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