最大瞬間風速は70m…九州に接近する台風として「過去最強クラス」の台風10号。
各地に被害をもたらしている。
暴風を耐えしのいできた“ヤッシー”は…
非常に強い台風10号が接近中の鹿児島県の海岸。
荒れ狂う白波が、繰り返し波消しブロックに打ち付けていた。
27日から暴風が吹き荒れていた奄美大島では、倒木や家屋損壊などの被害を確認。

そして、このあと台風が接近する種子島では、午前中から暴風と共に雨が絶え間なく降り続いていた。
こちらは薩摩半島の先端、枕崎市。

過去の台風中継でも、暴風を耐えしのぶ姿が注目されてきたヤシの木通称“ヤッシー”が激しく揺れていた。
最大瞬間風速は70m、九州に接近するものとしては過去最強クラスと言われる台風10号。

気象庁は28日、鹿児島県に暴風と波浪の特別警報を発表。さらに、薩摩地方には高潮の特別警報も出された。
気象庁会見:
これまでに経験したことのないような暴風、高波高潮が予想され最大級の警戒が必要です。自分の命、大切な人の命を守るため、早めに身の安全を確保して下さい。
この先、命を守るための早めの安全確保が呼びかけられた鹿児島県。中でも、午後6時頃に台風が最も接近していたのが、旅行客に人気の“世界遺産の島”屋久島だ。

THE HOTEL YAKUSHIMA OCEAN& FOREST 平田勝志さん:
非常に強い雨と風がホテルの周りで吹いています。
視界を遮る横殴りの雨と、屋内からでもはっきりと聞こえる、吹き荒れる嵐の音…。
これは、屋久島で宿泊施設の支配人を務める平田さんが午後3時半頃に撮影した島内の様子だ。
この台風で多くのキャンセル客が出たものの、今も30人ほどの宿泊客が身を寄せていて、風雨は時間を追うごとに激しさを増しているという。
屋久島で暮らして17年の平田さん。
今回の台風はこれまでで「最も激しい」と不安を口にする。
THE HOTEL YAKUSHIMA OCEAN& FOREST 平田勝志さん:
午前中に一度、停電がウチにもあった。ホテルとして一番危険なのは、エレベーターにお客様が閉じ込められることなので、(今は)止めている。
竜巻発生に遭遇し…「これはやばい」
そして、鹿児島に隣接する宮崎県では竜巻とみられる突風で大きな被害が出た。

撮影者:
うわ…やばいな、これ、やばいやばい、やばいやばい
これは午後2時ごろ、宮崎市佐土原町で撮影された映像。
車の窓の外には真っ黒な雲が広がり、破片のような何か大きめの物体が巻き上がる様子が見て取れる。
付近で“別の視聴者”が撮影した映像にも異変が…

撮影者:
あっ、あっ、あっ、あっ…屋根が(壊れている)
この周辺では“突風が吹いている”などの通報が続出。

突風は竜巻とみられていて、FNNのカメラには住宅などに被害が及んでいる様子が捉えられていた。
台風がもたらす、発達した雨雲により発生したと見られる突風。
消防によると、少なくとも4人がケガをしているという。
家族5人巻き込まれた土砂崩れ 夜を徹して救出活動
一方、台風10号から遠く離れた愛知・蒲郡市で発生した、家族5人が巻き込まれる土砂崩れの救出活動は夜を徹して行われた。

家族5人のうち、これまで3人が救出されたが、うち1人は意識のない状態で発見。残る2人の救出活動はいまも続けられている。
既に各地に大きな被害をもたらしている台風10号。29日以降九州に上陸する見込みで、その後も遅いスピードで週末にかけて列島を縦断する可能性がある。
(「イット!」8月28日放送より)