非常に強い勢力に発達して、鹿児島・奄美大島に迫っている台風10号。
直撃の恐れがある地域では、ホームセンターで防災ランプを購入する高齢者やビニールハウスにネットを張る農家の人など各所で台風への備えが進められていた。
8月8月に最大震度6弱の地震に襲われた宮崎県内では自宅から市営住宅へ移る人もいたーー。
鹿児島・奄美大島では食品類が品薄になる店舗も
27日正午過ぎの鹿児島県・奄美大島では、走行する車両のフロントガラスを強い雨が打ちつけ、強い風の影響もあり、前が見通しづらい状況になっていた。同日午前中には、畑のサトウキビも強い風で大きく揺れている様子も見られた。

午後1時過ぎの同島・龍郷町の手広海岸では、雨風共に強くなり、波も次第に高くなってきていた。

島内のスーパーでは食品類が品薄になり、商品がほとんどない棚も見られた。
スーパーの客:
牛乳とかフルーツとかあるかなと思って…。多分、しばらく船が入ってこないので、あったら買おうかなと。
(Q. ありましたか?)
ないですね。ちょっと高いので…。

27日午前、非常に強い勢力に発達した台風10号は、奄美大島の東の海上をゆっくりとした速さで北西に進んでいる。
29日以降、九州に最も接近し、その後 上陸して、列島を縦断する恐れがある。予報円は広く、まだ進路は定まっていないが、台風直撃の恐れがある地域では備えが進められている。
防災グッズに加えて、台風接近に伴い、発電機やロープなど品数を増やして対応しているという鹿児島市内の「ホームセンターきたやま」では、窓ガラスを補強する養生テープや停電時に必要なLEDライトなどを買い求める人たちが多く訪れていた。

購入者:
卓上のライトを買った。これが一番明るいから。テレビで見たらすごいでしょう。だから買っておこうと思って。
迫る台風…対策に追われる農家
宮崎・日南市のスイートピーを育てている農業用ハウスでは、強風でハウスが壊れてしまわないよう、ネットを張る作業に追われていた。

農家の人は、「進路が西になって、もう慌ててやばいなって感じで」「最悪のことを考えて、早く行動移さないと間に合わない」と警戒を強める。

愛媛・東温市のねぎ畑では、やはり強風でネギが倒れないよう両側に紐を張って、補強していた。
作業をしていた人は「品質が悪くなる。曲がっていたらね。まっすぐじゃないといけない」と説明してくれた。
年明けに出荷する予定のネギだが、曲がってしまうと売値が半分ほどになってしまうのだという。

大分・佐伯市では、ハウス内で育てていた杉の苗を建屋の中へ移動させていた。
農場の職員は、「(出荷)直前なので大事を取って、当初はもっと東側を通るのが大分の真上を通るかたちで、かなりちょっと怖いですね」と不安を口にする。
今回の台風接近を前に、より不安を募らせる地域が、8月8日に日向灘を震源に発生した最大震度6弱地震の被災地、宮崎県の日南市だ。

屋根の上にブルーシートを張り、土嚢によって押さえつけられている住宅が複数見られるなど、市内のあちらこちらに地震の爪痕が残ったままだ。
地元住民:
不安は大きいですね。ブルーシートしかしてない状態なので、雨漏りしたり瓦が飛んでいったり、二次被害とか大きい被害につながりそう。
地震で塀や建物に大きな被害が出た日高さんのお宅も警戒を強める。

日高さん:
台風が来るから、ちゃんと閉めておかないと。頼んだんです。向こうのガラスが閉まらないから、北の風がすごく強いのでちゃんと閉めてくださいと。
台風接近に備えて、業者の人に窓ガラスにテープを貼るなどの対策をお願いしたという。
日高さんは先週、長年住んでいたこの住宅を離れ、市営住宅に移ったという。
日高さん:
危ないから市の住宅が空いているから、そっちの方にしたらどうですかと言われたから、はい、そうしますと。もう住めません、台風でもすごい風が当たる。ここはもう壊れたら壊れたで、どうせここは崩さないといけない。
日高さんは台風で新たな被害が出ないことを祈っているという。
台風から離れた場所でゲリラ雷雨
一方、台風10号から離れた場所でも局地的な大雨となっていた。

北海道・函館市内では午後2時頃、突然降り始めた強い雨で、2車線ある道路が完全に冠水していた。その水は、歩道の方まで溢れ出てきていた。さらに、静岡・浜松市でも断続的に激しい雨が降った。
台風10号からの湿った空気が流れ込んでいるためで、今後も各地でゲリラ雷雨の可能性があり注意が必要だ。
(「イット!」 8月27日放送より)