台風10号は、今後も更に発達しながら北上する見込み。27日(火)午後~28日(水)午前にかけて東海~九州の広い範囲に上陸・縦断する恐れがある。早ければ25日(日)には、台風によるうねりが沖縄県沿岸に届く。以降、東日本~西日本で台風の影響が出てくる。

台風10号のこの後の進路と勢力…どこに上陸する可能性があるか

「強い」台風10号は、24日(土)午後3時現在、小笠原近海にあって、発達しながら北上している。27日(火)には「非常に強い」勢力に発達し、28日(水)にかけて、本州~九州南部にかなり接近または上陸する可能性が大きくなっている。

気象庁HPより 2024年08月24日15時発表の台風10号進路図
気象庁HPより 2024年08月24日15時発表の台風10号進路図
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25日(日)から26日(月)にかけては、北西に進路を変えて、時速20キロで進む見込みだ。この台風の進路となる日本の南から日本付近にかけての海面水温は28℃~30℃以上。この暖かい海からの水蒸気をエネルギーにして、日本付近に近づいても台風は発達を続けそうだ。

27日(火)午後3時には、中心気圧は950ヘクトパスカルとなる予想。四国沖に達する見込み。中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートルと予想される。沖縄や西日本から東日本の太平洋沿岸では、うねりを伴った高波となる見込みなので、海岸には近づかないようお願いしたい。

台風はその後、東海~九州南部の太平洋側に上陸する公算が高く、28日(水)午後3時には北陸地方の北の日本海海上に達する。中心気圧は975ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルと予想される。

台風10号は、その後も日本海を北上し続ける。陸上から大きく遠ざかることなく、東北地方日本海側沿岸の海上をさらに北上、29日(木)午後3時には、サハリン付近で温帯低気圧となる見込み。

ただし、24日(土)午後3時現在の台風進路予想図をみるかぎり、26日(月)以降の予報円はかなり大きい。予報円が大きいほど、台風がどこに進むかが定まっていないため、今後の進路がまだわからない要素が大きいということ。どこに接近、上陸してもおかしくないため、事前の備えは十分にしておこう。

「警報級の可能性」でみる各地への影響

27日(火)から全国各地で台風による大きな影響が出てくると見込まれ、九州南部から関東地方までの広い範囲で大雨・暴風・高波・高潮の影響が出る。

27日(火)は、東海地方より西では大雨・暴風・波浪・高潮に関して警戒が必要。特に四国地方・東海地方・近畿地方では暴風・波浪に特に警戒が必要だ。

28日(水)は北海道から九州北部で大雨・暴風・波浪・高潮に関して警戒が必要となる。近畿地方・東海地方は暴風・波浪に特に警戒が必要。

気象庁HPより 2024年08月24日15時発表の暴風警戒域に入る確率
気象庁HPより 2024年08月24日15時発表の暴風警戒域に入る確率

台風が日本海へ北上する29日(木)には、北海道地方で大きな影響が見込まれ、大雨・暴風・波浪に関する警報が継続する可能性がある。

25日(日)にできる備え

大雨や暴風が予想される場合、事前に3つの点について、確認したり、備えたりしておこう。

1.雨どいや側溝などを掃除して、水はけを良くしておくことだ。落ち葉などで側溝が詰まって水が流れないと、道路が冠水する原因となる。

2.屋外に置かれている、飛ばされやすいもの(物干し竿、鉢植え、ゴミ箱など)は、しっかり固定するか、室内にしまうなどの対策をしよう。商店などでは、看板が飛ばされたり、自動販売機が倒れたりしないか、確認することだ。

3.暴風で飛ばされてきたもので、窓ガラスが割れないよう、窓は鍵をかけ、雨戸があれば閉めよう。窓ガラスにガムテープを貼ると、風圧に耐えられるようになる。もしガラスが割れても、破片が飛び散るのを防ぐために、カーテンも閉めておこう。
【執筆:日本気象協会】

日本気象協会
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