パリオリンピックでレスリングの桜井つぐみ選手(22)と清岡幸大郎選手(23)が金メダルを獲得し、高知県に92年ぶりの金メダリストが誕生した。幼なじみだという2人にインタビューし、本音を語ってもらった。
高知に戻り「映画のスター気分」
「早く高知に帰って皆さんに金メダルを見せたい」と言っていたという2人。高知に帰ってきた心境を聞いた。

桜井つぐみ選手:
出迎えだったりとかすごくてびっくりしたんですけど、本当にこんなたくさんの人に応援してもらったんだなっていう実感や自分が優勝したっていう実感も湧いたし、本当にありがたいなと思います。

清岡幸大郎選手:
同じようにたくさんの人に出迎えられて、なんか映画のスターになったような気分でしたね。
高知で1番食べたいふるさとの味を伺うと、桜井選手は「魚。(活動地域の)群馬には海がないので、高知の魚をいつも楽しみにしている。早く食べたいです」、清岡選手は「夏ですごく暑いので、高知のアイスクリンを食べたいなと思っています」と答えてくれた。
次の夢は「あいみょんさんと対面」
桜井選手は、歌手のあいみょんさんが大好きだという。「試合前はやっぱりテンポアップな曲で、静かな曲よりも元気になるような曲を聴いてます」と語ってくれた。

桜井つぐみ選手:
(パリでは)バスの移動とか長かったので、その時とか。あいみょんのプレイリストを作って、ずっとシャッフルで流して聴いてました。
試合前にあいみょんさんから応援メッセージがあったことについては、友達から聞いたという。

桜井つぐみ選手:
自分は気づかなくて。Xで(メッセージが)来てたんですけど、自分はアプリをやってなくて。友達から「あいみょんからメッセージあるよ」みたいなこと言われて見てみたら、あいみょんのファンの方が、自分がよく(あいみょんの)Tシャツ着てるの気づいてくれてて、それに「わー!Tシャツ!嬉しい!めちゃくそ応援しよう!!!!!」とコメントが来てて。
もう勝つしかないなと思って。勝ったら、もしかしたら(会えるかも)とか思って。頑張れました。
2人の同級生だという竹崎凜星さんは、桜井選手がカラオケであいみょんさんの「マリーゴールド」をよく歌っていたと語ってくれた。

高知南高校の同級生・竹崎凜星さん:
(桜井選手とは)テスト期間に一緒にカラオケに行ったりだとか。(桜井選手が一番歌っていたのは)マリーゴールド。僕も結構聴いてます。(歌は)うまいです。うまいと言わないとタックルされるんで(笑)

カラオケについて桜井選手が「みんな知ってる曲で、自分の友達もみんなあいみょん好きなので歌ってました」と話してくれたところで、ワンフレーズだけ歌っていただけないかお願いしてみた。

桜井選手は「結構、音痴なんですよ」と言いながらもマリーゴールドを歌ってくれた。2人は高校でクラスが一緒だったため、同じ友達と一緒にカラオケに行ったりしていたという。清岡選手は、桜井選手の歌声に「成長してました。上手になってました」と笑って話した。

金メダルを取って、あいみょんさんに認知されるのが夢だったという桜井選手は、今後、対面することを「ずっと楽しみに待ってます」と語る。
桜井つぐみ選手:
(あいみょんさんに会えたら)もうほんとに好きですと伝えて。でも泣いちゃうんで、多分。9月に(コンサートへ)行く予定です。楽しみです。
特徴的な髪型に母親からクレーム
いろんな洋服が好きだという清岡選手にはファッショナブルなイメージがあるが、やっぱり特徴的なのは髪型だ。

清岡選手の髪型について、外国人ユーザーがXに「彼はいい床屋さんは知らないが、レスリングは確かにうまい」と投稿。清岡選手はその投稿を引用し、「スーパーサイヤ人カット」と投稿したのだ。そのときの心境を聞いた。

清岡幸大郎選手:
結構、レスリングって2つ名みたいなのをつけられることが多い。すごいアグレッシブに攻める選手は「ライオン」だとか言われたり、テクニカルな動きをする選手は「ウィザード」とか「マジシャン」とかって言われたりする。僕も激しい頭なんで、ライオンとかそっち系を狙ってたんですけど「ブロッコリー」っていう回答が来て、あれ?っていうのがあった。
「悟空っぽいね」って言ってくれた人もいたので、ありがたく頂戴して「スーパーサイヤ人」にさせていただきました。
ドラゴンボールも大好きだという清岡選手。桜井監督も清岡選手は「相手が強いほど覚醒する」と言っていたが、金メダルにつながった“ドラゴンボールスピリット”はあるか伺うと…。

清岡幸大郎選手:
相手が強いとチャレンジャー精神で戦えますし、結構目立ちたがり屋なので「この相手倒したら俺めっちゃかっこよくね?」みたいなメンタリティーで試合をしてたので、優勝した時とかもすごい気持ちよかったですね。

金メダリストで“無敵”になった清岡選手が今、倒したい相手を聞くと「悟空と直接対決します」と答えてくれた。

髪型に関して、清岡選手の母親は「何回か言ってるんです。『その頭、オリンピック行くまでにあと半分ぐらい短くならん?』って。『考えちょく』って言ってましたけど。気に入ってるみたいです」と話していた。母の思いを聞いた清岡選手は「そのうち切ると思います」と語る。

清岡幸大郎選手:
そもそも(母は)多分パーマあてたりするのがあんまり気に入らないみたいで。俺もう20歳超えてる社会人なんだけど…と思いながらやっていた。なんならスーパーサイヤ人っぽく金に染めていってやろうかなって話したら、「さすがにそれだけはやめて」って言われました。ちょっと夏場で暑いなって思いだしたので、そのうち切ると思います。
清岡選手は“いじられるキャラ”
次は2人に「〇×クイズ」形式で質問をしてみた。まず、「1回戦から決勝までは全て想定内だった。特にハプニングはなかったか」を聞いてみると、桜井選手は○と回答し、大体順調にいったとのこと。×と回答した清岡選手は「準決勝で攻めきれなかった」と振り返った。

清岡幸大郎選手:
前半見てもらった方は分かると思うんですけど、準決勝の試合がなかなか攻めきれなくて、対策しすぎての失敗だった。決勝は逆に振り切って、自分のレスリングだけをして、想定通り進んだのかなって思います。(金メダルとることは)必然的でした。どの流れになっても必ず僕がとるって思ってました。
2問目の「幼なじみの自分だけが知っている相手の弱点」を聞いてみると、桜井選手が○を出した。

桜井つぐみ選手:
プライベートで2人で遊ぶとかは特にないんですけど、(清岡選手は)高校の同じグループにいる時は、結構みんなにいじられるキャラ。しっかりしてるみたいな感じで見られてるんですけど、同級生からはぼろくそ言われたり、結構いじられるキャラです。
清岡幸大郎選手:
その通りですね。でも、逆に僕的にはおいしいなって思ってます。
次に「まだどの取材でも出してない初出しエピソードがあるか」と聞くと、2人とも○と回答した。
清岡幸大郎選手:
試合前、めちゃくちゃ緊張する状況なんですけど、それをリフレッシュするために、オリンピックの直近だったのにもかかわらず、同級生とか一緒にオリンピックに行く先輩と、夜中ドライブして朝帰ってくるっていうのを1回だけしました。気分転換になって、そこからうまくいき出しました。
桜井選手は「なんか難しいな…。多分あるけど、思い浮かばない」としながらも、休みの日の過ごし方について語ってくれた。
桜井つぐみ選手:
休みの日は、1人でいるのがあんまり…。できるんですけど寂しいというか、なんかつまらないので、いろんな後輩とか連れ出してどっか行ったりとか。ちょこっと県外行ったりとかもできるし、もう車も乗ってるんでいろんなところに行くのが好きです。
レスリングの経験、魅力を伝えたい
最後に「今後の目標」について2人に聞いた。

桜井つぐみ選手:
オリンピックで金メダルを取るっていうのが1番の夢だったので、1つの夢をかなえることができて、まずはうれしい気持ち。今までできなかったこととか、やってみたいことを今のうちにやろうかなっていうのが1番で。でも金メダルを取るってのは誰もができることでもないし、限られた人ができることだと思うので、自分の経験とか、自分がやってきたことを伝えていけるようにしたいなと思います。

清岡幸大郎選手:
オリンピックという、レスリングにおいては最高峰の舞台で戦ってきて、これまでにない盛り上がりや熱狂を肌で実感してしまった。4年後にあるロスにも絶対自分が出場して2連覇してやるっていう気持ちがまたすごく湧き上がってきたので、優勝はしたんですけど、気持ち新たに第2章のような形で、ロスに向けて頑張っていきたいなと思ってます。
あとは、こうしてオリンピックで優勝することで広げられるレスリングの魅力だったりだとか、まだレスリングのことを知らない人たちにもそういうことを知ってもらえるような活動をしていきたいなって思ってます。
(高知さんさんテレビ)