神奈川・横浜市のイトーヨーカドー綱島店が18日に閉店し、42年の歴史に幕を閉じた。広場からは「ありがとう」の声と拍手が鳴りやまず、ネット上では“人気バンドの解散ライブ状態”と話題になっている。

そんな「イトーヨーカドー」だが、2024年だけで関東では8店舗の閉店が決まり、順次、営業を終了している。なぜ、今、閉店が相次いでいるのだろうか。

閉店に大勢の市民“人気バンドの解散ライブ”と話題に

広場を埋め尽くす大勢の市民がスマホを向けるその先にあったのは、大手スーパーの「イトーヨーカドー」だ。18日、神奈川・横浜市にある「イトーヨーカドー綱島店」が閉店し、42年の歴史に幕を閉じた。

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最後の姿を見ようと広場には、大勢の市民が埋め尽し「ありがとう」の声や拍手が鳴りやまず、“人気バンドの解散ライブ状態”とネット上で話題になっていた。

東急東横線の住宅街が広がる綱島駅から徒歩5分で、1982年に開業した綱島店。

利用者からは「すごく寂しかった。実家がなくなるような感じ。ヨーカドーで待ち合わせとか、広場が良かった」と閉店を惜しむ声が聞かれた。

その閉店セレモニーには、幅広い年齢層が集まり、広場を埋め尽くした。

撮影者・地域ブログ ツナシマニアさん:
年配の方もいたし若い方もいた。1500人くらいいたのではないかと聞いた。

さらに同じ日、北海道でも、多くの人に見守られながら北見店も閉店し、集まった人からは「北見、愛してるぞー」の声も飛んだ。

業績不振により、「イトーヨーカドー」は、北海道からの撤退を決めた。

2024年だけで関東8店舗…閉店相次ぐ

18日に閉店した綱島店に20日、行ってみると、早くも解体工事が進んでいた。

実は、イトーヨーカドーは2024年だけで関東では8店舗の閉店が決まり、順次、営業を終了している。

なぜ、閉店が相次いでいるのだろうか。専門家に話を聞くと…。

経済アナリストの渡辺広明氏は「平成に入ってニトリやユニクロとかが進出したことによって、食料品以外の売り場にお客さんが行かなくなり、業績が悪くなっていった」と指摘する。

衣料品や生活雑貨の売り上げが減少したことで、業績が悪化したという。

閉店さらに加速か…カナダのコンビニ大手からの買収提案

そして今、ヨーカドー閉店の流れが加速しかねない“ある動き”が明らかになった。

親会社のセブン&アイ・ホールディングスが、カナダのコンビニ大手から買収を提案されたのだ。

買収を提案したアリマンタシォン・クシュタールは、北米やヨーロッパなどで展開する大手企業だ。

外資系の企業に買収された場合、イトーヨーカドーはどうなるのだろうか。

経済アナリスト・渡辺広明氏:
カナダの会社の狙いはコンビニエンス事業になる。(一方で)非効率な部分はなるべくなくしてほしいというところは持っているのではないか。

セブン&アイは今後、買収の提案を受けるかどうか「速やかに検討し返答する予定」としている。
(「イット!」8月20日放送より)

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