気象庁は、宮崎県南部で発生した地震を受けて南海トラフ巨大地震に関する臨時情報を初めて出し、巨大地震が発生する可能性が高まっているかどうか、午後5時半から専門家による「評価検討会」を開始した。

南海トラフ巨大地震の可能性判定の流れについて詳しくデスクが解説する。

柴木デスク:
まず今回地震が起きた場所は、南海トラフの巨大地震、過去何度も巨大地震を引き起こしてきた場所が現在想定されている震源域というのがある。

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今回の地震は日向灘なのでちょうど地図の端のエリアで起きた地震である。

その上でこの地震が南海トラフに繋がるような地震かどうかを評価するのが「評価検討会」ということになる。

流れを改めて見てみると、今回、マグニチュード6. 8以上の地震が起きた。

この場合に、30分以内に「臨時情報」の「調査中」というものを発表し、今回の地震がどのような地震なのか、南海トラフに繋がるような地震なのかなどを、専門家たちが評価する評価検討会というものを5時半から行う。

具体的にどういうことをするかというと、この地震のマグニチュードは速報で出しているが、実際の震源の正確な位置や、以前のマグニチュードの計算を改めて行うが、この計算に大体2時間ぐらいかかると言われている。この計算を行った上で最終的なマグニチュード、モーメントマグニチュードと言うが、マグニチュードが実際にマグニチュード7を超えている場合は、「臨時情報」の「注意」というものが出され、日頃の備えなどを呼びかけるという流れになる。もし、マグニチュード7を下回っている場合は調査終了。8を上回る場合は警戒ということも。現在7.1ということを考えると、臨時情報の「注意」が出される可能性が一定程度あるという状況です。

ーーただまだ詳しいことはわからないという評価会で検討していくということですね。 
現在は専門家たちが集まって震源の場所や、揺れの波を正確に分析するという計算作業などを行っているという状況だ。

――今回初めてこの検討会が行われるわけだが、今後臨時情報の「注意」など、あるいはもし「警戒」が出たとしても、これはすぐ南海トラフの地震で大きな揺れが来ますよということではないわけという理解で良いか?
はい、まず一つお伝えしたいのはこの南海トラフに関する臨時情報というのは予知ではないということだ。現在の技術のレベルでは地震を正確に予知するということはできないということで、一定の規模の地震があったら、その後大きな地震があるかもしれないので十分に注意してというのが、「臨時情報」になる。

特にマグニチュード7の場合は、実際に避難をするというよりは事前の備えに十分注意して過ごすということになるが、マグニチュード8以上のケースになると全く違う状況になってきて、実際に大きな被害が出ているような状況になるので、その場合は過去も南海トラフの東側で地震が起きた後、西側で地震が起きるというケースが度々あったので、そのような状況に警戒するということにはなる。現在はマグニチュード7. 1なので可能性としては「注意」になる可能性が比較的高いと考えられる。

結果が出るまで約2時間がかかるということだが、今注意していただきたいのは津波注意報が出ているので、避難してください、という状況ではある。