7日午後2時すぎから始まった定例記者会見で兵庫県の斎藤知事は、これまでの経緯を時系列にまとめ、パワハラ・贈答品の「おねだり」疑惑を告発した元西播磨県民局長の懲戒処分理由についても説明した。

懲戒処分に至った理由は、文書を作成配布する行為、人事データの専用端末の不正利用、職務専念義務の違反行為、ハラスメント行為だという。

通報行為に対して懲戒処分をしたのではないとも話し、 懲戒処分は先月いっぱいで辞職した、当時の片山副知事から報告を受けて判断したと述べた。

また、公益通報制度として保護されるための要件が満たされていないと認識していて、今回の懲戒処分対応に問題はなかったと説明している。

元県民局長が配布した文書は、噂話をまとめたものだと本人が認めていて、斎藤知事は文書について「信じるに足る相当の理由はない」と繰り返した。

■『私物スマホ』調査は「行ったかどうかお答えできないが、一般論として任意の開示依頼に相手が応じれば問題ない」

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また関西テレビの取材で新たに判明したのが、元県民局長の告発文の調査にあたって、当時の総務部長と人事課の職員が別の幹部職員に対し、調査の目的や根拠を説明せず、私物のスマートフォンを見せるよう迫り、SNS上での元県民局長とのやりとりを確認していたということ。

幹部職員は、要求に応じてSNSの履歴を見せたということだが、その後、文書の作成に全く関与していなかったことがわかっている。

これについて斎藤知事は次のように説明した。

「しっかりと調査するように指示しましたが、具体的な調査内容までは指示していないということです」

(Q私物のスマートフォンのSNSの履歴を見るという調査方法が適切と思うか?)

「今回の件でスマホの調査を行ったかどうかは、調査の内容手法に関することなのでお答えできませんが、一般的に任意での開示依頼に対して、相手方が協力的に調査に応じた場合は、調査手法として法的に問題がないというふうに考えております。これは県の特別弁護士にも確認しております」

(Q確認したということはそういった調査があったということ?)

「一般論として、任意での開示依頼に対して、調査に応じた場合は問題ないと確認していると認識しています」

(Q一連の調査や処分については適切だったと考えているか?)

「これまでの対応については、適切な対応だったと考えています」

■斎藤知事が会見で提示した『告発問題の時系列』

斎藤知事は記者会見で、元県民局長が告発してからの時系列について以下のような内容をフリップにまとめて説明した。

●3/12(火) 元西播磨県民局長がマスコミ、県議会等へ文書(以下「本件文書」)を送付

●3/20(水) 本件文書を把握

●3/21(木) 片山副知事等、幹部職員と対応を協議

▶本件文書には個人名、企業名が記載されており、しっかりと調査するよう指示

▶その際、本件文書の作成・配付を行った者の可能性として、元西播磨県民局長の名前があがる

●3/23(土) ◆ 元西播磨県民局長の公用メールから、本件文書作成への関与の可能性が高いとの報告

◆ 本人等への事情聴取の実施について了承

●3/25(月) 元西播磨県民局長に対する事情聴取 (1回目)

▶PCを確認したところ、本件文書のデータや顔写真データ等、4つの懲戒処分事由に該当 する可能性のある資料等がデスクトップ上のフォルダ内に保存されていることを確認

▶元西播磨県民局長が本件文書を作成・配布したことを認める。本件文書の内容は、噂話を集めて作成したことを供述

※ 懲戒処分事由

①本件文書の作成・配布

②人事データ専用端末の不正利用、個人情報の不正取得・持ち出し

③職務專念義務違反(勤務時間中に私的文書を多数作成)

④ハラスメント行為 (特定職員に人格否定の文書を送付) (以降、計6回の事情聴取を実施)

●3/27(水) ◆元西播磨県民局長 を総務部付(部長級) とする人事異動を実施

◆定例会見で当該事案について説明

●4/4(木) 元西播磨県民局長が「兵庫県職員公益通報制度」の通報相談窓口に通報 (本人発表)

●5/7(火) 元西播磨県民局長 に対する懲戒処分の実施

【停職3月】

関西テレビ
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