東京五輪で逃した金メダルに向けて、フランス代表との決勝に臨んだ柔道混合団体。
勝負は代表戦までもつれ込む大接戦となるも、惜しくも敗れ、銀メダルに終わりました。

斉藤立選手(左)とT・リネール選手(右)
斉藤立選手(左)とT・リネール選手(右)
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斉藤立選手(22):
本当に、きょう勝たないといつ勝つんだっていう場面で勝てなくて、本当に顔向けできないです。

悔し涙となりましたが、試合後にフランス代表のリネール選手が斉藤選手にかけた一言について質問が飛ぶと…。

勝利し拳を突き上げるリネール選手
勝利し拳を突き上げるリネール選手

――試合が終わった後、リネール選手から声をかけられたように見えましたが?
斉藤立選手(22):

(リネール選手から)「リスペクト」って言われて、「いやNO NO NO」って言って。全然、そんな値するやつじゃないよってことを言って。っていう意味で「NO」って言ったんですけど…多分、向こうはあんま、どういう気持ちで受け取ったかはわからないですけど。自分英語しゃべれないんで、ほんまにそんな言葉だけでした。

――ありがとうございます、本当におめでとうございます。
いや、マジでおめでとうじゃないです。

隣にいたウルフ・アロン選手が、このやりとりに大爆笑。笑顔での締めくくりとなりました。

「ワンチャンある」金まであと一歩

「めざまし8」は、2012年ロンドン五輪60キロ級の銀メダリスト・平岡拓晃さんに、今回の柔道混合団体決勝についてお話を伺いました。

ロンドン五輪・銀メダリスト 平岡拓晃さん
ロンドン五輪・銀メダリスト 平岡拓晃さん

――団体の試合を見ていかがでしたか?
ロンドン五輪・銀メダリスト 平岡拓晃さん:

やはり胸が熱くなりましたね。フランスチームは強い選手が揃っていましたので、他のチームと比べて頭一つ抜けていたんですよね。そのフランスチームに日本人があと一歩の所まで追い込んだというのはすごく胸が熱くるなる場面がいっぱいありました。

第4試合 S・シジク選手(57キロ級)と角田夏実選手(48キロ級)
第4試合 S・シジク選手(57キロ級)と角田夏実選手(48キロ級)

試合前はフランスかな?と思っていたんですけども、このメンバーが発表されたときに「いや、ワンチャンあるぞ」と思ったんです。やはり、角田夏実選手と阿部一二三選手、階級が違うところを出してきたんですけども、角田選手はシジク選手の二階級下なんですけども、シジク選手はものすごく強いんです。強いんですが、私、普段70(㎏)あるんですが、角田選手と何回か練習したことあるんですけども、48キロ級じゃない実力の持ち主なんです。
ものすごく強いなということが体感して分かっていたので、プラス角田選手の得意の巴投げと腕ひしぎ十字固めという属性から、1本取ってくるんじゃないかと思ったら、まんまと1本とってきてくれて。

で、最後、超攻撃型の阿部選手で決着したかったんですけど、やはり一階級下の差がでてしまったのかなと思いましたね。

「代表戦」選出方法について

6人が戦って決着がつかない場合、無作為に選ばれた階級区分の選手で代表戦を行うとされていますが、ルーレットで選ばれたのは、地元フランスのヒーロー・リネール選手。

このあまりにも“できすぎた展開”に、SNSなどでは違和感を覚える人もいたといいます。

ロンドン五輪・銀メダリスト 平岡拓晃さん:
確かに「リネール来るんじゃないかな?」と私も思ったんですけども、このやり方は昔からやられていましたので。ただ、一つは斉藤で勝負したかったという日本の思いもあって、ウルフじゃなくて斉藤を選んだ日本側の意思の感じ出ましたし、もう一回この戦いを見たいなと思っていましたので、そこはリネール選手が何か持っていましたよね。ここを引いてくるんだなと。

橋下徹弁護士:
不正が行われるリスクは人間が関与するより限りなくゼロに近いということは、これはもうみんながそれを認識しているんですけども、ただ今AIとかデジタルの活用方法で、議論されているのが「ヒューマンインザループ」という考え方なんですけども、最後どこかで人間が、しかも当事者が関与しないと納得感が得られないでしょという議論がなされています。最後に納得感が必要だよねと。
例えば裁判なんかで、判決を出すときにAIでやると大体量刑。懲役何年となるんです。正確に出るんです。でも世の中 AIが懲役10年や死刑っていうとみんなが納得するのか?ということがあるので、最後は裁判官が宣告するという、これはもうほぼ決まりなんです。
ですから、デジタルでくじ引きを作るところまではデジタルがやったとしても、最後のところは当事者に選ばせるという、ちょっとそこに不正のリスクがあったとしても、納得感というところでは、柔道連盟ちょっと考えていただきたいなと。

村上佳菜子氏:
でも、私がアスリートをやってきて分かったのは、やはり“持っている人”は“持っている”んですよ。ここぞというときにやってくれるし、ここぞというときにこうやって選ばれたりというところもあると思うので、だから…どうなんでしょうね?
(めざまし8 8月5日放送)