日銀は政策金利を0.25%に引き上げ、今後も経済状況に応じて利上げを継続する方針だ。この決定により、円高が急速に進行した。特に若い世帯では住宅ローンの負担増が大きくなる可能性があるという。
政策金利を引き上げに…急速な円高進む
日銀は、追加利上げを決定し、植田総裁は会見で、経済物価情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げていく考えを示した。

日銀は、金融政策を決める会合で、政策金利を「0.25%程度」に引き上げることを決めた。決定の瞬間、為替ディーリングルームでは声が飛び交い、円相場では、一時1ドル=151円台まで急速に円高が進んだ。
日銀・植田総裁は、午後3時半過ぎから会見にのぞみ…

「2%の物価目標の持続的安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調節することが適切と判断しました」とコメントした。
植田総裁は、経済物価情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げていく考えを示した。
住宅ローン金利に影響…若い層の負担増に
この利上げは私達の生活にはプラスになるのか。ここからは、フジテレビ・智田裕一解説副委員長が解説する。

智田祐一解説副委員長:
家計にどの程度インパクトがあるのか、今回、日銀が0.25%への利上げに踏み切ったことに伴って、金利が上昇していった場合の影響について、みずほリサーチ&テクノロジーズが行った試算結果を見ていきましょう。
全世帯の平均で見ると、住宅ローンの金利が1万6000円分増えるのに対し、預金金利は2万7000円増えるので、全体の平均で見ると家計にとってプラスになります。

青井キャスター:
家計にマイナスになるケースもあるのですか?
智田解説副委員長:
住宅ローンを抱える層に限ってみると、40代では預金金利の方が1万2000円増えるのに対し、住宅ローン金利は7万円増えている。つまり、預金金利の増えた分で住宅ローン金利の負担増を補えない計算になります。
青井キャスター:
6万弱も負担が増えますね。40代で住宅ローンを抱えている人は多いため、これはかなりの痛手となりますね。
智田解説副委員長:
貯蓄よりも住宅ローンが家計の大きい部分を占める若い層は、負担が大きくなる可能性があるということです。

青井キャスター:
この追加利上げ、いつから我々に影響が出てくるのでしょうか?
智田解説副委員長:
今回の利上げが影響してくる可能性があるのは、住宅ローンのうち「変動金利」です。新規に借りるケースでは、早ければ9月から、すでに借り入れている人の場合は、年明けから影響するケースが想定されます。
(「イット!」 7月31日放送より)