夏が本格化し、栃木・佐野市では7月29日に観測史上初めて41度を観測。同日は静岡県でも40度超えとなり、命に関わるほどの危険な暑さの日も増えてきた。日傘やハンディーファンがないと出掛けられないという人も多いと思うが、それは子どもも同じだろう。

ランドセルメーカーの株式会社ハシモト(富山市)は、今年4月に発売した子ども用“日傘”の販売推移を発表。4月15日~7月17日までの売れ行きを集計した結果、6月以降は飛躍的に伸び、7月では半月のみの集計で、5月単月と比べて4倍以上の販売を記録したという。

フィットちゃんランドセル公式サイトでの「子ども用晴雨兼用日傘」販売本数
フィットちゃんランドセル公式サイトでの「子ども用晴雨兼用日傘」販売本数
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夏の暑さは過酷さが増し、暑さ対策は小学生にとっても毎年の課題になりつつある。暑さを少しでも和らげるために、「日傘」を使用する子どもも増えているようだ。

購入者の約8割が女の子

ハシモトでは、ランドセル「フィットちゃん」を販売する公式サイトとショールームで、小学生の暑さ対策として「子ども用晴雨兼用日傘」を4月に発売。

子ども用晴雨兼用日傘 無地イエロー
子ども用晴雨兼用日傘 無地イエロー

日傘としてはUV99.9%カット、遮光率100%で、もちろん雨の日も使える晴雨兼用仕様。

サイズは50センチと55センチの2種類。価格はどちらも税込みで、50センチが2420円、55センチが2530円だ。

左:無地は全4色 右:ノスタルジックシティデザインの「モーメントピンク」
左:無地は全4色 右:ノスタルジックシティデザインの「モーメントピンク」

購入者の割合は女の子が77%、男の子が23%。女の子に人気なようだが、同社によると「今や日傘は年齢・性別関係なく使われる傾向になりつつあります」とのことだ。

フィットちゃんランドセル公式サイトで購入した方へのアンケート結果より
フィットちゃんランドセル公式サイトで購入した方へのアンケート結果より

5月と比べて販売本数が増えたのは、本格的な暑さが始まり日焼けや熱中症に対して保護者も心配していることがうかがえる。

ネットでも「お迎えナシで下校するようになったらうちも子ども用日傘導入するべきよなあ」「子ども用の日傘ってどこで売ってるんだろう?」「うちから小学校まで10分もかからないんだけど、子が暑すぎて死んでしまうと言うので子ども用の日傘を買いました」などと、子どもの日傘に関する投稿があり、関心がある人は多いようだ。

天候を気にせず毎日持ち歩ける傘

暑い時間帯にも登下校する子どもにとって、「持ち運べる日陰」ともいわれる日傘は心強いだろう。実際に購入した人は、日傘を使ってみてどうだったのだろうか?また、購入者が増えたことをどう考えているのだろうか?ハシモトの担当者に話を聞いた。


ーー子ども用の「日傘」を発売したきっかけを教えて

フィットちゃんでは、「期待値を超えるモノづくりをする」という考えのもと、毎年数万組のお客さまから集まる声をもとに、「子どもたちの通学を快適に、楽しく、安全にするカバン」を開発しています。

その中で、近年の猛暑についてお客さまからたくさんのお声をいただき、何か手助けできないかと考え、お子さまの通学を快適にするものとして、日傘の取り扱いを開始いたしました。

雨の日でも使える晴雨兼用仕様 左:無地サックス 右:無地イエロー
雨の日でも使える晴雨兼用仕様 左:無地サックス 右:無地イエロー

ーー4月に発売したのはなぜ?

通学や学校で使う多くのグッズは、入学や新年度のタイミングで準備されるものが多く、日傘に限らず傘も新年度準備でご購入されることが多いということで、入学や新年度が始まる4月に販売開始をいたしました。


ーーこれまでの売れ行きを見てどう考える?

今年は例年以上の猛暑で、親御さまがお子さまの熱中症や日焼けを心配され、ケアされる意識が非常に高まっていると感じています。

購入する方が増えた要因の1つは、日傘を推奨している地域や学校が出てきたこと。また、近年の猛暑で熱中症対策の1つとして日傘が大人の方でも注目されていることも要因の1つではないでしょうか。

全国11店舗のショールームで販売
全国11店舗のショールームで販売

ランドセルでもそうですが、近年夏の暑さ対策として「背パッド」の販売が伸びています。通学時のお子さまの熱中症を心配される親御さまが増え、少しでも負担を軽減するためのアイテムの1つとして、日傘もマストになってくるのではないでしょうか。

保冷剤ポケット付き背パッド カラー:サックス
保冷剤ポケット付き背パッド カラー:サックス

ーー購入者の反響を教えて。

モニターで使用していただいた方からは、「晴雨兼用のため、天候を気にせず毎日持ち歩ける傘で便利」とのことで、天気予報を見て使い分けをするなどの必要がないのが、お子さまに持たせる日傘として非常に良いとのことです。

朝は雨が降っていて、昼以降は晴れているから傘を忘れてしまった…などは起きにくいのではないでしょうか。

子どもも日傘をさすことが当たり前に

ーー販売開始するまでに大変だったことはある?

販売開始にあたり、カラー・サイズ展開をどうするかはかなり検討しました。50センチと55センチの2サイズ展開が必要なのか、社内のお母さんスタッフにもヒアリングをし、結果的に2サイズでの展開となりました。

カラーについても、黄色や無地であることが学校指定の場合もあるため、無地のものとデザインの入ったものの展開となっています。

フチには反射素材付き
フチには反射素材付き

ーーこの7月の売れ行きをどう感じている?

想像以上の反響で、うれしく思うと同時に、非常に驚いています。これまで、特に女性を中心に夏の日焼け対策として使用されてきた日傘ですが、熱中症のリスク軽減のためにも、今後も推奨される地域や学校が増え、子どもたちも暑い日には日傘をさすというのが当たり前になってくるのではと感じています。

一方で、年々厳しくなる暑さに対して、危機的な状況にあるのかなと心配にもなります。

熱中症のリスク軽減にもなる日傘
熱中症のリスク軽減にもなる日傘

晴雨兼用ということで、日差しからも守れるが、雨をしっかりとはじく生地を使用しているため、夏の急な雨にも対応できる。今後は、「お客さまのご要望が多ければ、デザインやカラーを増やすことを検討したい」とも話していた。

なお、日傘を禁止している小学校もあるため、使用を検討する際は確認してほしい。

画像提供:株式会社ハシモト

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。