300発の花火が夜空を彩り…
突如夜空を彩る大輪の花。
本来、よさこい祭り前夜祭が行われる予定だった8月9日午後8時半。
まるで祭りの開幕のように約300発の花火が、12分間にわたり打ち上げられた。
それに先立つ午後2時。
打ち上げ会場では、着々と準備が進められていた。
打ち上げに携わった、高知市出身の花火師・安岡沙都(やすおか さとこ)さん、22歳。
この花火に特別な想いを抱いていた。
この日の気温 30度…
花火師・安岡沙都さん:
暑い…まじ暑い…
さらに、あいにくの空模様。
花火師・安岡沙都さん:
ゴロゴロいいゆう、あーあ、天気の良い予定やったのに。雷が鳴ったら、ちょっと危ないなぁ
夢をかなえた22歳の女性花火師
小学生の頃に見た花火大会が忘れられず、高知東工業高校3年生の時に打ち上げ従事者の資格を取得した。
当時 指導を仰いだのは、高知市大津の花火業者・髙村(たかむら)俊寛(としひろ)さん。
夢を叶え、現在は徳島県で130年以上続く老舗の花火製造所で、花火師として働いている。
今回、髙村さんから声がかかり、初めて地元・高知市で花火を打ち上げることになった。
オープニングとエンディングを飾る花火は安岡さんが作ったもの。
花火師・安岡沙都さん:
これが今年のうちのトレンドっていうか新作なんで、この玉をきれいだから持って行きたいなって。新しく作り直して持って来たんで
地元での打ち上げに、緊張の面持ち…
花火師・安岡沙都さん:
めっちゃ緊張してきた
花火打ち上げのカウントダウン
「5、4、3、2、1」
魂を込めて手がけた作品が、夜空を彩る。
エンディングは、安岡さんが2019年制作し、新型コロナの影響で出番のなくなった花火。
よさこいのない夏に彩りを…
花火師・安岡沙都さん:
やっぱり自分の作った花火を見て喜んでくれる人がいてって、すごい仕事やなと思います。誇りに思います。
皆がいつでもびっくり出来るような花火を作っていきたいと思います
よさこいの無い初めての夏、想いをのせた花火が地元高知の夜空を彩った。
歓声の聞こえない静かな夜だったが、多くの人に確かに希望を届けていた。
(高知さんさんテレビ)