7月23日朝、長野県安曇野市の畑の脇でクマがシカ用のわなにかかっているのが見つかった。県は原則として「錯誤捕獲」されたクマは放獣することにしていて、猟友会や市の職員らがクマを麻酔で眠らせ、山に返した。県内ではクマの出没が相次ぎ、人身被害も発生していて、県は「ツキノワグマ出没注意報」を出している。
体長135センチ、体重約90キロの成獣
辺りの様子をうかがう大きなクマ。
23日午前5時頃、安曇野市穂高の畑の脇でわなにかかったクマを近くの住民が見つけ、警察に通報した。
シカ用のわなにかかったいわゆる「錯誤捕獲」で、市によると、体長135センチ、体重約90キロのオスの成獣だ。
この記事の画像(5枚)県は原則として「錯誤捕獲」されたクマは放獣することにしている。
駆けつけた猟友会や市の職員らが麻酔で眠らせ、山に返したという。
クマの出没が相次ぐ 人身被害も4件
2024年度、県内ではクマの出没が相次いでいる。
県によると、人里での目撃件数は5月が107件、6月が343件といずれも前の年の同じ月を大きく上回っている。7月も19日までの速報値で44件となっている。
人身被害も4件発生。4件とは別に信濃町の山林では作業員の男性がクマとみられる大型の獣に襲われ死亡している。
こうした事態を受け、県は現在、ツキノワグマ出没注意報を出していて、県のホームページで出没マップを公表し注意を呼びかけている。
県は改めて、山に入る際は音の出るものを携帯する、出没が確認された場所に近づかない、生ゴミなどを適切に処理し、クマを誘引しないことなどを呼びかけている。
また、県は今後、人里でさらに目撃が増え、山のドングリなどのエサが「凶作」と予想された場合などには、「警報」の発令も想定している。
警報が出た場合は「錯誤捕獲」も含め捕獲したクマをお仕置きして山に返す「学習放獣」を一旦やめ駆除を優先させることにしている。
(長野放送)