待ちに待った夏祭りの季節がやってきた。
そんな夏祭りに欠かせないのが屋台だ。
しかし、相次ぐ値上げの波が、夏祭りの屋台にも押し寄せてしまっている。
現場を取材した。

屋台にまで値上げの波…

この週末20日に東京・府中市で開催された夏祭りを訪れると、子どもたちが「金魚すくい」を楽しんでいた。

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ーー楽しかった?
男の子:
はい。3匹とれました。

祖母:
必ずやるよね。お祭りの時ね。

金魚すくい屋台の店主は「コロナ前は300円だったが今は500円になってしまった」と話す
金魚すくい屋台の店主は「コロナ前は300円だったが今は500円になってしまった」と話す

こちらの金魚すくい、値段を屋台の店主に聞いてみると、「コロナ前は300円だったけど、今はもう500円になっちゃって」と言い、じわりじわりと値上げされ、今では1回500円になったという。

さらに、「スーパーボールすくい」も店主に聞いてみると、「先週までは500円だった。きょうから申し訳ないんだけど100円上げちゃって600円にしちゃった」と言う。

まさに、この日から100円アップし、1回600円に!

ほかにも、お好み焼きは800円、じゃがバターは600円と、今やワンコインでは買えなくなっていた。

たこ焼きを購入した人は700円が高いとは思ったがお祭りでテンション上がり買ったと話す
たこ焼きを購入した人は700円が高いとは思ったがお祭りでテンション上がり買ったと話す

お祭りを訪れた人は「高いですけどしょうがないのかなと思っちゃいますね」、「たこ焼き買ってきたんですけど、700円でした。ちょっと高いなという気はした。お祭りだからテンション上がって買っちゃうけど…」と答えた。

この値段には、親御さんたちも頭を悩ませているようだった。

屋台の焼きそば
屋台の焼きそば

小さいお子さんと一緒にお祭りを訪れた女性は、「これはダメ、あれは(高いから)ダメと言わないといけない感じになりますよね。でもなんとか頑張ってやらせてあげたい…」という声や、「家で(食べ物を)作った方が安いから食べて、こういうもの(金魚すくい)とかで遊ばせてる」という声も聞かれた。

値上げの理由は「円安」と“100円”単位にあった

では、いったいなぜ、ここまで値上げしないといけないのか?
数々のお祭りグッズを取り扱う東京・八王子市の卸問屋を訪ねた。

ーー値上げの背景には何があるのか?
yamagishi 山岸孝次社長:材料自体は海外から仕入れているものが多数あるので、その円安が値上げの原因かと。だいたい25~30%ぐらい仕入れ原価が上がっているので。

金魚すくいの「ポイ」は去年より仕入れ値が50円アップした
金魚すくいの「ポイ」は去年より仕入れ値が50円アップした

例えば、金魚すくいの「ポイ」は、2023年より仕入れ値が50円アップした。

また、さらにスーパーボールも300個で570円高くなっているという。

また、お祭りの屋台ならではの事情もあるというのだ。

多くの客でひしめき合うため、細かい小銭のやりとりが難しく一気に100円単位で値上げせざるを得ないという
多くの客でひしめき合うため、細かい小銭のやりとりが難しく一気に100円単位で値上げせざるを得ないという

屋台の人:
50円の値上げでいいものもあるけど、(お金とおつりを)パッともらってパッと帰りたい人が多いので、だったら100円ずつ結構上げています。

多くのお客さんでひしめき合うお祭りでは、細かい小銭のやりとりは難しく、10円単位の値上げではなく、一気に100円単位で値上げせざるを得ないというのだ。

屋台の人:
僕らの気持ちとしては「500円」というのが一番売りやすくて、500円握りしめた子どもができないっていうのが一番悲しい。この先はちょっとどうなることやら…。

値上げが続く中でも、子どもたちが良い思い出をつくれるように、お小遣い、お父さん・お母さんたちの頭を悩ませる夏となりそうだ。
(「イット!」 7月22日放送より)

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