東京都知事選の演説に集まった大勢の聴衆。
演説していたのは、小池百合子氏に続く票を獲得した石丸伸二氏。
“石丸旋風”はなぜ拡大して、支持を集めたのか。
ネットを駆使し、巻き起こした“石丸旋風”。
若い世代を引きつけるその魅力とは…。
小池氏当確の一報になぜか「ニヤリ」
7日午後8時、小池百合子候補に当確が出た。

東京都知事選の投票が締め切られた8時ちょうどの小池百合子氏当確の一報に、何を思ったか、ニヤリと笑みをこぼした石丸伸二氏。

すると、その直後、自ら配信用ウェブカメラの画角を調整し、自身の姿を追う報道陣の様子をすかさずライブ配信していた。
小池百合子氏は都職員から花束で祝福
午後0時半過ぎの東京都庁。
職員らが続々と集まる中、拍手で出迎えを受け、笑顔を見せたのは、東京都知事選で3期目の当選を果たした小池百合子氏。

白地に黒のドット柄のスーツ姿で登庁し、職員から花束で祝福を受けた。庁舎に入ると、取り囲んだ職員らを前にあいさつを行った。

東京都・小池百合子知事:
皆さんのおかげでございます。これからも頑張っていきましょう。本当にありがとうございました。
SNS駆使し“石丸旋風”巻き起こす
小池氏と蓮舫氏の一騎打ちになるとみられていた選挙戦に、割って入ったのが石丸伸二氏だった。

前広島・安芸高田市長の石丸氏。
最後の演説となった東京駅丸の内の広場には、見渡すかぎりの聴衆が…。

前安芸高田市長・石丸伸二氏(JR東京駅丸の内口・6日):
次世代の期待に応える、かっこいい大人の姿を見せつけましょう。
演説会場には「撮影拡散OK」の文字。
SNSを駆使した今どきの選挙戦略で若い世代の支持を急拡大させ、“石丸旋風”を巻き起こし、 165万8363票を獲得。
蓮舫氏を40万票近く上回り、2位に躍進した。

出口調査の年代別の投票先では、10代・20代と30代で小池氏を上回り、トップに。
また男性の投票先でも、小池氏を上回るなど、若い男性を中心に熱狂的な支持を集めた。
ーー知名度は高いですか?
30代:
若者というか、ネットの中では高いんじゃないかなと思います。 言っていることは分かりやすいですし、論理も通っているのかなと。
30代:
結構いろんな、例えばYouTubeとかでもそうですし、自分が見たのがInstagramとかTikTokとかのやつでも動画を見たので、動画配信の力とか結構強かったんじゃないかなと思いますけどね。
動画配信で拡散された舌鋒(ぜっぽう)鋭い発言で注目を集めた石丸氏。
7日夜は、フジテレビの選挙特番に生出演し、2位に躍進したことで手応えを感じたかと問われると…。

前安芸高田市長・石丸伸二氏:
言葉を返してしまって恐縮なんですが、残念でもなければ、手応えという評価も特にはしていません。これまで山ほど同じ質問に答えてきたんですが、繰り返すと、都民の総意が可視化されたというだけの現象ですよね。皆さんが、メディアがよく注目されているのは、候補、個人がああだこうだという話でしかないので、実にさまつな視点だなというふうに一蹴しています。
また、今後の国勢進出の可能性について問われると、 番組にゲスト出演していた泉房穂氏や橋下徹氏の名前を出し、こう回答した。

前安芸高田市長・石丸伸二氏:
ひとまずは政治の業界に身を置き続けようと考えています。なので、国政というのも選択肢と可能性という意味では存在します。なので、例えば泉さんなり、橋下さんが新党を立ち上げるとおっしゃる場合には、ぜひ一緒に頑張りたいなと思う次第です。
一方、こうした発言が「国勢進出に意欲」と一部で報じられると、早速、SNSで反論。

(石丸伸二氏の公式Xより)
あれほど「選択肢の一例(可能性)の話であって、意思はない」と言ったにもかかわらず、「意欲」という見出しをつけるのはどういう了見なのでしょうか。
さすがに拙いと思います。
もう1人の石丸氏は“石丸違い”を謝罪
一方、“石丸旋風”が吹き荒れた都知事選をめぐり、8日、「イット!」が直撃したのが、都知事選立候補者の「もう1人の石丸氏」、石丸幸人氏だ。
9万6222票を獲得し、全体の得票数で8位となったが、SNSではこんな投稿が。

(SNSより)
石丸違い、完全にミス。まさしく私のことだ…
投票所の名簿で、先に目に入った石丸さんの名前を書いてしまった。
旋風を巻き起こした石丸伸二氏と間違えて投票してしまったという「#石丸違い」との投稿が相次いだ。
この「石丸違い」について、石丸幸人氏に聞くと、

石丸幸人氏:
結果的に僕に来てしまったという票がもし結構あるのであれば、それは本当に申し訳ないなって率直に思います。
と、“石丸違い”に「申し訳ない」と謝罪した。
弁護士と医師の資格を持ち、自らの法律と医療の知識を世に広げようと、出馬を決意。
石丸伸二氏と同姓であることを意識してはいなかったと説明した。

石丸幸人氏:
(NHK党の)立花さんからお話があった時点では、まだ石丸元市長さんは立候補を表明していなかったんですよ。
ーーそれでは、たまたまだった?
石丸幸人氏:
そこはね、立花さんに聞いてみないと分からないと思います。
東京都知事選での思わぬ混乱も生まれた“石丸旋風”。
石丸氏をモデルにした映画の公開も決まっている。
中には、市議会で居眠りする議員に対して、「恥を知れ」と一喝する様子も。
映画「掟」は、8月30日から全国で順次公開される予定という。
(「イット!」7月8日放送より)