ふわふわモフモフの毛が愛らしい、動物園の人気者「アルパカ」。

でもこんな姿は見たことがない?デザイン性あふれる“サマーカット”姿が話題になっている。

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株式会社アルパカワールドが運営する「アルパカふれあいランド」(東京・新宿)の公式インスタグラム(@alpaca_fureai_land)に投稿されているのは、現在同施設で飼育されている「さつき」ちゃんと「あかね」ちゃんの写真だ。

日光浴をしてくつろいでいる2頭だが、その体にはふわふわの毛はなくスッキリとしたボディラインに。そして一部残された毛は、何やらハートマークや羽のような形になっている?

さつきちゃんの“ビフォーアフター”
さつきちゃんの“ビフォーアフター”

実はこの2頭、最近“サマーカット”をしたばかり。

さつきちゃんは5月に「ペガサス」をテーマに、体の側面に羽を生やしたデザインに。
あかねちゃんは6月に、大きなハートマークと水玉模様、足には飾り毛という「トイプードル」をイメージしたカットをしたのだという。

あかねちゃんの“トイプードル”スタイル
あかねちゃんの“トイプードル”スタイル

特に、さつきちゃんの“ペガサススタイル”は、インスタグラムで公開されると「お空を飛びそうな素敵なデザイン」「毛刈り前と後でかなり印象変わりますね!」などのコメントが寄せられ、多くの「いいね」がつき話題となっていた。

リアル?アニメ調?悩んだデザイン

アルパカふれあいランドは「都会のオアシス」をコンセプトに、散歩や餌やり体験など、都内でアルパカと触れあうことができる体験施設。実際にカットしてみての感想も気になるが、かわいいデザインになった2頭へのお客さんたちの反応も気になる。

このカットを行った、「アルパカふれあいランド」の店長・井手真哉さんに話を聞いた。

――「アルパカふれあいランド」はどんな施設?

アルパカの魅力を伝えられる場所、癒される場所が東京でも出来たら良いという夢があり、ビルに空きが出来たこともきっかけで、2023年に「アルパカふれあいランド」がオープンしました。2頭のアルパカが半年おきにメンバー交代をしながら在住しています。

こちらは現在長野の牧場に帰っているという「あおい」ちゃん(左)と「バニラ」ちゃん
こちらは現在長野の牧場に帰っているという「あおい」ちゃん(左)と「バニラ」ちゃん

――そもそもアルパカの毛刈りは何のために行っているの?

アルパカはもともと、高山地帯の涼しくて乾燥した地域に生息しており、日本の暑さや湿度は苦手です。毛は生え変わりがなく伸び続けるので、毛刈りは健康管理のために重要です。

毛刈りは基本年に1回です。定期的にメンテナンスはするのですが、半年以上経つと毛が伸びて形は次第に崩れてきます。

カットした毛はこんなにドッサリ
カットした毛はこんなにドッサリ

――かわいいサマーカット、デザインはどうやって決めた?

今回はSNS上でデザインの募集を募り、最終投票の上決定しました。(2頭とも)同じ刈り方だと、お客が個体の区別が付かなかったり、毛刈りの姿を残念がることもあったため、デザインカットをすることにより「夏の風物詩」的にしたいと思いました。

こちらは2023年のあかねちゃんのカット。大きなハートが背中に!
こちらは2023年のあかねちゃんのカット。大きなハートが背中に!

――「ペガサス」と「トイプードル」、他にはどんな候補があったの?

リボン、アルファベット、花柄、アルパカのシルエット等が挙がっていました。今後もお客さまの期待に応えられるカットをやってみたいです。

カット後の自分が気になる?さつきちゃん
カット後の自分が気になる?さつきちゃん

――今回のカットはどんなところが難しかった?

(さつきちゃんの)「羽」は抽象的なものなので、リアルな羽にするかアニメタッチの羽にするか、デザインに悩みました。また、毛を刈る位置や量などを間違えるとやり直しが効かない所が、デザインカットの難しさです。

立体的なふわふわの羽
立体的なふわふわの羽

――ちなみに、カットされている時のアルパカの様子は?

当店のアルパカは比較的大人しいです。個体差はありますが、中には暴れて唾(胃液)を吐いたりするアルパカもいます。

カットされているあかねちゃん。とってもおとなしい
カットされているあかねちゃん。とってもおとなしい

――カットした大量の毛はどうなるの?

当店では原毛で販売、その他アクセサリーやキーホルダーにしたり、ワークショップで利用したりしています。本来は糸にしてニット製品になるのですが、日本だと技術を持った人が少ないため、場所によってはそのまま捨てることもあります。

過去のカットデザイン。大きな蝶やハートがかわいい
過去のカットデザイン。大きな蝶やハートがかわいい

――かわいいサマーカットを見た客の反応は?

アルパカといえば“モフモフ”を想像するので驚く人も多いですが、毛刈りする理由を話すと納得していただけます。「こんな毛刈り見たことない」「個性が出てる」「可愛い」と喜んでもらっています。

夏の毛刈りは、アルパカたちにとっては命に関わるほど大事なことです。毛が短くなり地肌をさわれる機会は今だけなので、ユニークなデザインカットをしたアルパカを触って楽しんでほしいです。

カットを担当した井出さんは、長野のアルパカ牧場で毎年20頭以上の毛刈りを行っていたため、カット自体は慣れているそう。しかし今回のさつきちゃんの“ペガサススタイル”には「過去一で難しかったかもしれないです」と語っていた。

来年はどんなデザインが飛び出すのだろうか?今から楽しみになってしまう、年に1度の貴重でかわいいサマーカット姿だった。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。