暑い夏を乗り切る人気のスタミナ料理「焼き肉」。
ところが夏本番を前に、焼肉店の倒産が相次いでいることが分かった。2024年はこれまで最も多かった2019年を大きく上回る、過去最多のペースとなっている。
焼き肉店の倒産が過去最多のペースに
都内の焼き肉店も、悲鳴を上げている。

焼肉乙ちゃん鮫洲本店 宮木浩 料理長:
やはり厳しい状況は続いていますね。値段を上げざるを得ないのかなと。
帝国データバンクによると、焼肉店を経営する事業者の倒産は2024年6月までに20件発生。
これは、2023年の同じ時期と比べて、約2.5倍の件数だ。

年間を通しては、これまで最も多かった2019年を大きく上回る、過去最多のペースとなっている。
主な原因は、歴史的円安による輸入牛肉の高騰や、電気・ガス代など店舗を運営するコストの増加。
こちらの焼肉店も、仕入れ価格の高騰が大きな負担になっているという。
焼肉乙ちゃん鮫洲本店 宮木浩 料理長:
(輸入の)牛タンと牛ハラミ、半年前と比べると、キロ単価で1000円以上上がっています。
しかし、客離れの不安から、簡単に値上げには踏み切れないという。

焼肉乙ちゃん鮫洲本店 宮木浩 料理長:
輸入物は低価格で、それで国産のものと値段のバランスを合わせて、帳尻を合わせたメニューをどこの店でも考えていましたが、そのバランスが崩れてきているので、どこで(利益を)とるのかっていうのが、みなさん本当に悩んでいる状況だと思う。
スーパーでは国産牛を特売する逆転現象
円安による輸入牛肉の高騰により、都内のスーパーでもある現象が起きていた。
アキダイ関町本店 秋葉弘道社長:
オーストラリア産の牛肉、100gあたり198円。国産牛の切り落とし、100g198円。同じ切り落としなんですが、100g辺りの値段が変わらない状態。
店によると、どちらも同じ切り落としの牛肉だが、オーストラリア産と国産の値段が同じになっている。

アキダイ関町本店 秋葉弘道社長:
以前は、アメリカンビーフをお値打ち品で出していましたけど、輸入牛肉が高くなっているので、国産牛を特売するパターンが多いですね。
輸入牛ではなく、国産牛を特売するという逆転現象に、利用客からは「外国産高いんだなって、意外でした」「同じ値段なら国産かなと思います」といった声が上がっていた。
この店では現在、価格が高騰しているアメリカ産牛肉の売り場を縮小し、国産牛をメインに販売しているという。
(「イット!」 7月4日放送より)