「幻の橋」が異例の崩落。
十勝地方の上士幌町のタウシュベツ川橋梁の崩落が、夏を前にしたこの時期に初めて確認された。
湖面に映り込む橋のアーチがまるで眼鏡のようにみえる。
“幻の橋”と呼ばれるタウシュベツ川橋梁

ダム湖の水位によって見え隠れするため「幻の橋」と呼ばれ、観光客に人気がある上士幌町のタウシュベツ川橋梁。
6月14日の橋の状況と比べると、橋の一部が崩落している。
橋の一部が崩落「いつ壊れても不思議でない」

地元のガイドは。
「凍結がゆるむ春先の崩落と認識していたが、その流れは通じないな。いつ壊れても不思議ではないなと驚きました」(ひがし大雪自然ガイドセンター 河田充 代表)
これまでは雪解け時期の崩落はあったが、この夏を前にした時期は初めてだという。
豊かな森林資源を運ぶため、1937年に旧国鉄士幌線の上士幌・糠平間が開業。

渓谷を走るため多くのコンクリートアーチが造られた。
長年の老朽化による"自然崩落"か

しかし、1987年に士幌線が廃線となりアーチ橋はその役目を終えた。
ただ、これらのアーチは2001年、北海道遺産に指定され、タウシュベツ川橋梁は大自然と調和した人気の観光地に。
「全体的な老朽化が深刻化している。アーチの崩落も近いのかな。まずいなという感じですね」(ひがし大雪自然ガイドセンター 河田 充代表)
橋の崩落は十勝沖地震で初めて確認されてから、2017年以降は数年ごとに発生。
地元のガイドは、今回は長年の老朽化による自然崩落とみている。
一方でこれまで、橋の上に乗る人の姿が複数回確認されていて、地元のガイドは「危ないので、絶対に橋の上に乗らないでほしい」と注意を呼び掛けている。