ただし、胃液の分泌を促すため、空腹時にコーヒーを飲むと胃腸を傷めてしまうことも。すると喉や口内に酸っぱい吞酸(どんさん)が上がってくることもあるという。

コーヒーはこうした要因が重なりやすいので、口臭が出やすくなってしまうのだ。口が酸っぱく感じたり、舌が“コーヒー色”になっていたりしたら要注意。口がにおっている可能性がある。

においが心配ならブラックがお勧め

ここまで読むと「飲むのをやめるべき?」と悩むかもしれないが、待ってほしい。いくつかのポイントを意識すれば“においリスク”は下げられるのだ。

まずは、砂糖やクリームなど減らすこと。これらは舌の表面に残りやすく、含硫アミノ酸も入っているので、嫌なにおいが増幅されやすいという。

「できるならブラックがお勧めです。甘味がほしいなら、蜂蜜などの果糖やブドウ糖が望ましいです。ショ糖は『不溶性グルカン』というネバネバした物質を作り、口内環境を悪化させますのでお勧めできません。こちらは精製された白い砂糖などが該当します」

砂糖やクリームは入れすぎに注意(画像はイメージ)
砂糖やクリームは入れすぎに注意(画像はイメージ)

カフェインの過剰摂取にならない、胃腸を傷めそうな飲み方をしないことも大切だ。家事や仕事で忙しいと「お昼は砂糖やクリームたっぷりのコーヒーで済ませよう!」と思うこともあるかもしれないが、口臭と胃腸どちらにもよくないので注意してほしい。

カフェインの摂取許容量は、日本は明確な基準を出していないが、アメリカやヨーロッパでは成人で1日400mgまでを目安としている。厚生労働省によると、コーヒーの浸出液には100mLあたり60mgのカフェインが含まれているので、コーヒーカップ1杯を140mLとしても約5杯で上限を超える。飲みすぎは避けたほうが良いだろう。

次回はそんな“コーヒー口臭”を防ぐためにできる、舌の位置や体操のポイントをお伝えする。

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中城基雄
歯学博士。1984年に東京歯科大学を卒業し、88年に日本大学大学院歯科放射線科で学位を取得。同年、中城歯科医院の院長に就任する。口臭治療専門の歯科医として、5000人以上の口臭を診察。東洋医学への知識も深く、2003年には鍼灸師の国家資格も取得。著書に『病気の9割を寄せつけない たった一つの習慣』(サンマーク出版)、『スマホがあなたをブスにする』(大和出版)がある。

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