連日の暑さをしのぐためにエアコンが欠かせない時期になる中、頭を悩ませるのが“電気料金の値上げ”だ。少しでも節約しながら快適に夏を過ごすため、賢いエアコンの使い方をプロに聞いた。
「省エネ」と「節約」の文字目立つ
国が物価高騰対策として続けてきた電気料金の補助は5月の使用分で終了した。
東北電力によると、8割の家庭が契約する電気料金モデルで、6月の使用分から419円の値上がりが見込まれている。
そんな中、山形市にある家電量販店では、エアコンコーナーに「省エネ」や「節約」の文字が並び、電気料金の値上げを受けた“家計応援キャンペーン”を打ち出している。
ケーズデンキ山形北本店・佐藤恭平さんは「電気代が安い機種は?」と相談してくる人が増えていると話す。特に、省エネ性能に関して気にしている人が増えているという。
これから夏本番を迎え、家庭の消費電力の大きな部分を占めるエアコンだが、上手に節約しながら使うためにはどうするべきか、佐藤さんに教えてもらった。
3つのポイント押さえて賢く快適に
ポイントは主に3つある。
まず1つ目は、“風量の設定は「自動」にすること”だ。
イメージでは「弱」の方が節約できそうだが、弱の状態だと部屋が冷えるのが遅くなってしまうことから、基本的には自動運転にして部屋を冷やした後に弱運転に切り替えるのがおすすめだという。
大手空調メーカー「ダイキン」が行った調査では、エアコンを日中の11時間つけっぱなしにして比較したところ、風量「弱」と「自動」では、「自動」の方が1カ月の電気代が990円も安くなった。
ポイントの2つ目は、“風向きは「水平」にすること”だ。
これには冷たい空気は重く、床付近に溜まる性質があることが関係している。
水平に向けることで冷たい空気が上の方を回って下に向かい、より部屋を循環しやすくなる。「斜め」だと下に冷たい空気が滞留してしまうため、部屋全体を冷やすという意味では効率が良くないという。
ダイキンの調査によると、風向きが「斜め下」に比べ、「水平」の方が1カ月の電気代が930円も節約できた。また、サーキュレーターを同時並行で使うと、より部屋の空気が循環できるので快適に過ごせる。
そして、ポイントの3つ目は、“フィルターの掃除をこまめにすること”だ。
汚れが詰まると風の送りも弱くなってしまうため、2週間に1回のお手入れで“空気を通す”。これはカビの繁殖を抑えることにもつながる。
電気代を節約しようとするあまりエアコンの使用を控えると、熱中症のリスクが高まり危険だ。正しい節約法を身に付けて、上手にエアコンを使う必要がある。
この3つのポイントを実践して、賢く快適な夏を過ごしてみてはいかがだろうか。
(さくらんぼテレビ)