静岡市駿河区に「二ツ池」という名前の池がある。しかし、どう見ても池は1つしかない。その理由を探ると60年以上前にはあった、もう1つの池の存在が浮かび上がった。
広くて遊具もある よさそうな公園
この記事の画像(6枚)今回は、地域の憩いの場である公園の名前が変わっているという調査だ。
向かったのは静岡市駿河区小鹿にある公園。まずはどんな公園なのか園内を調査してみる。
テレビ静岡・小倉彩瑛アナウンサー:
けっこう広いですね。遊具もあって、今のところは一般的な公園ですね
特徴的なのは、公園の横にある大きな「池」。釣りをしている人もいる。公園の名前は「小鹿公園」だった。小鹿にある公園なので、不思議ではない。
もう1つの池はどこ?
ところが案内板に書かれていた池の名前が不思議だ。
「二ツ池 Futatsu-Ike Pond」
池の名前は二ツ池。しかし、どう見ても1つの池だ。なぜ二ツ池?
離れた場所に2つ目の池がある様子もない。もしや私たちには見えない、幻の池が存在するのか。
公園の利用者に話を聞いてみることにした。
よく公園を散歩する人:
むかしは公園になっているところに池があったんだよ。それで二ツ池と言うと思うんだけどね
数人に聞いてみたが、みな「公園が昔は池だった」と口をそろえる。数十年前に池を埋め立てて、遊具を置いて小鹿公園になったそうだ。
このことを古くから小鹿で生活している人はよく知っているようだ。
調査はあっという間に終了かと思われたが、新たな疑問が。
地元の人:
(Q.なぜ埋め立てられたか)理由はわからない。その頃はまだ若かったので
なぜ埋め立てたのか…
どういう池なのか…
それは地元の人も知らないようだ。
なぜ埋め立てられてしまったのか
ということで二ツ池の歴史を知るため、小鹿公園を管理する静岡市公園建設管理課へ。
静岡市公園建設管理課・望月義晴さん:
小鹿の公園にある池は今から100年以上昔に農業用のかんがい用水の施設としてもともと2つあった池を整備したため池です。この頃は現在の池と、公園部分にも同じような池があったことから、二ツ池と呼ばれていると聞いています
100年以上の歴史を持つ二ツ池。昔は池で泳いで遊んでいたという話も聞いたことがあるそうだ。農業用水というだけでなく、子供たちの遊び場でもあったよう。
そんな二ツ池がなぜ1つになってしまったのだろうか。
静岡市公園建設管理課・望月義晴さん:
農業施設が改良されて、かんがい用水としての利用がだいぶ減ってきたんですね。さらに土砂などが堆積してきてしまいまして、池が不衛生な状態になってしまいました
そこで1つを埋め立てて児童公園にすることに。埋め立てられたのは1959年(昭和34年)だった。
時代の流れと共にその役割を終えた幻の池。地元住民憩いの場でもあったため、埋め立て整備をして現在の小鹿公園として生まれ変わった。
名前を調べれば歴史がわかる。二ツ池は、池が2つの頃も、1つの今も、地域に愛されている公園だった。
■スポット名 小鹿公園
■住所 静岡市駿河区小鹿930-1
(テレビ静岡)