約7割の夫婦が「赤ちゃんの睡眠」についてストレスを抱えているという。そんな「ママ・パパの力になりたい」と活動する女性がいる。赤ちゃんの睡眠改善に向けたヒント、自身の経験から伝えたい思いとは。
育児に悩むママ・パパにアドバイス
赤ちゃん用スキンケアブランド「ジョンソンベビー」を展開する企業が行った意識調査。
「育児の中で最もストレスを感じるのは?」という質問に対し「夜泣きへの対応」と答えた人が最も多く、3番目に多かった「寝かしつけ」とあわせると、約7割のママやパパが赤ちゃんの睡眠についてストレスを抱えているという結果だった。
ストレスを抱えているママやパパの力になりたいと、宮崎県内で活動している女性がいる。
2024年5月に宮崎市で開かれた(赤ちゃんの)睡眠改善講座。企画したのは宮崎市を中心に活動する乳幼児睡眠コンサルタントの甲斐かおりさんだ。
乳幼児睡眠コンサルタント 甲斐かおりさん:
時計が読めない赤ちゃんは、毎日同じねんねルーティーンをすることがすごく効果的。毎日教えてあげることで分かってくる。
こう話す甲斐さん自身も、2人の子供を育てる母親で、寝かしつけに悩まされていた。
息子が産まれた時、長くても1~2時間しか寝られない日が続き、当時の楽しい記憶がないほど夜泣きに悩まされたという。
甲斐さんは、「息子が1歳になるまでの記憶が本当になくて、息子や娘と何かした、楽しかった思い出が、実は本当になくて思い出せない。すごくかわいい時期なのに寝られなくて思い出すこともできなくて戻ることもできない。だからこんなに変えられるんだったら早く変えてあげたら良かったと思う」と語る。
寝不足のあまり車で事故を起こしそうになったこともあり、その時に危機感を抱いた甲斐さんは2年前に乳幼児睡眠コンサルタント(国際認定資格)を取得。これまで50組以上の夫婦に赤ちゃんの睡眠改善のカウンセリングを行い、支援センターなどで講座を開いている。
7組の親子が参加したこの日の講座。甲斐さんは、適切な室温や服装など睡眠環境を整えることや眠りにつくまでの流れを毎日一定にすることが大切だと説明し、実演を交えながらママ・パパの悩みに応えた。
抱っこ紐の使い方については…
乳幼児睡眠コンサルタント 甲斐かおりさん:
お子さんのおでこにママがキスできるくらいの高さ。これが両方にとって心地の良い抱っこの仕方。直接ママたちの熱が伝わると(外では)すごく寝づらいのでタオルを間に挟むと良い。注意してもらいたいのは、赤ちゃんのお顔にかからないようにして首元に入れる事。
母親がアドバイス通りにすると、赤ちゃんは眠そうに…落ち着いてきて、もう寝そう、という状態に。母親がそのまま体を揺らしていると、甲斐さんが声をかける。
乳幼児睡眠コンサルタント 甲斐かおりさん:
泣きがとまったら動かないほうがいい。なぜかというと、浅い睡眠になったときに動いていないって起きてしまう。
母親が動きを止めると、赤ちゃんはスヤスヤと眠りに入ってくれた。
参加者の感想は・・・
10カ月の赤ちゃんの母親:
初めて知った事もあって、きょうからやりたい。このタオルや抱っこの仕方も教えてもらってよかった。甲斐さんは全部否定せずに受け入れてくださったのでほっとした。
7カ月の赤ちゃんの母親:
家で家事して遊んで夜も起きるから、なんか24時間マラソンをしている感じで、しんどいというので、講座を受けて良くなったらいいと思った。
11カ月の赤ちゃんの父親:
夜泣きとか眠れないときは、できる限り一緒に過ごすというか、抱っこしたり環境を整えられるようにしていきたい。なかなかできていない。
ベビー用品を展開する企業の意識調査によると、赤ちゃんの寝かしつけは約8割の家庭でママが担当しているのが実情である。
甲斐さんは、ママだけで抱え込まずに悩みを言葉にして伝え、パパなど周りの人の手を借りてほしいと訴える。
乳幼児睡眠コンサルタント 甲斐かおりさん:
パパでも寝かしつけはできるので、多くのパパがサポートさせていただいた後にできるようになっていて、(ママが)1人で『ちょっとお出かけしてくるね』なんてある。そういったご家庭を増やしていきたいので、夫婦で参加していただくような講座をもっと広げていきたいと思う。
日々大変な育児のなかで、わが子とのかけがえのない時間を少しでも楽しんでほしい。それが甲斐さんの願い。
「大変な育児も、本当にわが子をみたらやっぱりかわいいと思える瞬間がたくさんある。そういう瞬間を『ねんね』を改善することで増やすことができるので、そういう家庭を増やしていきたいと思う」と甲斐さんは語った。
(テレビ宮崎)