高知県の龍馬記念館で、学芸員が選んだ企画展が開催されている。「近江屋事件」を描いた絵画や、龍馬に関する日記、土佐藩の軍事操練を休むための欠席届など、お侍さんへの親しみがわくユニークな史料が展示されている。
学芸員が選ぶ“龍馬”ゆかりの品
2024年で開館33年になる高知県立龍馬記念館には、2200点あまりの史料が収蔵されている。
その中から、学芸員4人が30点をえりすぐった企画展『龍馬記念館の蔵出し-学芸員セレクション-』が行われている。
初めて展示する史料には、土佐藩の武士・岡﨑菊右衛門の日記である「岡﨑菊右衛門日記」(1854年)があり、“参勤交代で江戸に行った際、滞在中だった坂本龍馬から本を借り、書写して2日後に返した”という内容が書かれている。
一方、「龍馬遭難図」には、1867年11月15日に京都で起きた「近江屋事件」で、龍馬が襲われた瞬間を描いている。
絵画に描かれている奥の掛け軸は、当時近江屋にあったものを再現していると考えられる。
腹痛で軍事操練を“ずる休み”?
展示品の中には、土佐藩の役人の動向などを知ることができる「土佐藩京都藩邸史料」という貴重なものもある。
「土佐藩京都藩邸史料」について、高知県立坂本龍馬記念館学芸員の上村香乃さんは、「今回は軍事操練を行うにあたって、それを欠席するために欠席届を出したということが分かる史料になっている」と説明していて、そこには、現代と同じように休む理由を書く必要があるという。
「理由はさまざまなんですけれども、例えば腹痛であったりとか、あとは目が痛いという理由であったり、現代にもあるような理由で休んでおります」と、学芸員の上村さんは話す。
史料を見てみると、この日は20人以上の欠席者が確認されていて、学芸員の上村さんは、「もしかしたらずる休みの人もいるかもしれない」と江戸時代の武士たちの日常に思いをはせていた。
この他、岐阜・関市の商工会議所から寄贈された「護り刀」や、龍馬の肖像画など、記念館や龍馬にゆかりのある史料が展示されている。
『龍馬記念館の蔵出し-学芸員セレクション-』は、6月25日まで開催している。
(高知さんさんテレビ)