コメ王国の威信を守ることができるか…2023年の高温・少雨で大打撃を受けた新潟県産米。2024年も厳しい暑さが予想される中、新潟大学が暑さに強いコメの開発に向け、クラウドファンディングでの支援を呼びかけた。新潟県内では日本のおいしいコメを守るための研究が続いているが、そこには研究費が不足している現状があった。
異常気象で…コメ農家に大きな打撃
インターネットのクラウドファンディングサイトに並んだ「日本のお米を守りたい」の文字。
この記事の画像(5枚)これを立ち上げたのは、新潟大学農学部で稲を使った新品種の開発や稲の新規の遺伝子を研究する山崎将紀教授だ。
「生産者は昨年暑い中、それぞれ栽培の技術を持っているので、色んなことをやったことを私は知っている。『この暑さのせいでどうしようもなかった』、『どうにもできなかった』、『どうすればよかったのか』、『どうにかしてほしい』というアンケートが頭から離れない状況」
2023年は高温・少雨の影響でコシヒカリの一等米比率が4.7%と過去最低を記録し、コメ農家が大きな打撃を受けたが、気象庁は2024年も厳しい暑さになることを予想している。
新品種の開発続くも“研究費不足”
新潟県内では猛暑でも安定した品質・食味を確保できるよう収穫時期を遅らせた晩生品種の「新之助」や暑さに強い「新大コシヒカリ」などコメ王国の威信をかけ、猛暑などの異常気象に対応できる新品種の開発が続いている。
ただ、その研究のための費用は不足しているのが現状だ。
山崎教授は「なかなか、もうちょっと欲しいなという意図もある。あと人を雇用しているので、人の雇用を安定して確保したい」とクラウドファンディングで支援を呼びかけた背景について説明した。
返礼に…新品種の“命名権”も
コシヒカリと多様な品種をかけ合わせ3500を超える系統をつくり、高温耐性となりえる系統RILXを2023年に発見した山崎教授。
多くの系統を栽培しながらの研究には人件費や物品購入費などがかかるため、クラウドファンディングで300万円を募ることにしたという。
「暑さに負けない栽培対策と新品種の2番目・3番目というのができるように、現在進行形のものも早く公表できるように頑張っていきたい」
日本のコメを守る取り組みに協力して新品種の命名権が返礼品としてもらえるコースもあるこのクラウドファンディング。
受け付け期間は8月8日までだ。
(NST新潟総合テレビ)