2023年7月に札幌市ススキノで起きた猟奇的な事件だ。
ホテルの一室で62歳の男性の遺体が見つかり、首は切断され持ち去られていた。

そして遺体の発見から約3週間後に逮捕されたのは。
「本日被疑者2名を逮捕しましたので発表する。田村瑠奈、田村修」(札幌中央署 菊地健司署長(当時))

逮捕されたのは、札幌市厚別区に暮らす家族で、無職の田村瑠奈被告、父親で医師の修被告、母親の浩子被告の3人だ。
事件の詳細
自宅から刃物が20本以上、浴室からは男性の頭部が発見されるという前代未聞の事態となった。

瑠奈被告と被害者の男性がともに映る映像がある。
事件前の5月下旬、ススキノのダンスクラブで撮影されたものだ。

2人が楽しそうに過ごす様子が映っていた。
しかし映像にはもう1人の人物が映り込んでいた。

修被告だ。
2人を見守るように立っている。
一体、家族の関係はどのようなものになっていたのだろうか。
いびつな家族の関係性
不可解な事件を象徴するように異例の長さとなる半年間にも及んだ3人の鑑定留置。

その結果、検察は責任能力があると判断した。
瑠奈被告は、男性を折りたたみナイフで複数回突き刺し殺害した上、のこぎりなどで首を切断したとして殺人などの罪で起訴。
父親の修被告は、瑠奈被告と一緒にのこぎりを購入するなど犯行を手伝い、瑠奈被告が頭部を損壊する様子をビデオで撮影するなどしたとして殺人ほう助などの罪で起訴。
母親の浩子被告は、死体遺棄・死体損壊のほう助罪で起訴された。

札幌地裁で先ほど始まった浩子被告の初公判。
浩子被告の初公判 どのような罪か
浩子被告はどのような罪に問われているのか。
起訴状によると、浩子被告は瑠奈被告が持ち去った頭部を自宅に隠すのを容認。
また瑠奈被告から頭部を損壊する様子をビデオで撮影したいと求められた浩子被告は、修被告に撮影を依頼し損壊する様子を撮らせたことなどが検察官が指摘した起訴内容だ。
事件前の交流
事件前、3人の自宅近くに住む女性の元に2023年の1月、浩子被告から届いたはがき。
はがきにはアマビエと干支のウサギが描かれたイラストが。

浩子被告の手書きだということだ。
また女性は浩子被告と手紙のやり取りをしていた。
「ゲンゴロウやアケビコノハと触れ合う貴重な体験ができた。またなにか楽しい出会いがあるといいですね」(浩子被告の手紙)

手紙には自然と触れあったことなどが書いてあり、植物が好きだったという。
「娘が事件を起こしたのは後で知った。計画は知らなかった」
関係者によると、浩子被告と修被告は当時、共謀を否定していた。