国内市場が伸び悩む中、アメリカ市場の拡大へ

セブン&アイ・ホールディングスは、アメリカのコンビニエンスストア業界3位の「スピードウェイ」を買収すると発表した。

セブン&アイ・ホールディングスが買収するのは、アメリカの石油精製会社マラソン・ペトロリアムのコンビニを併設するガソリンスタンド部門「スピードウェイ」で、買収額は約2兆2,000億円にのぼる。

アメリカのコンビニ業界で店舗数トップに立つセブン&アイだが、国内市場が伸び悩む中、業界3位のスピードウェイを買収することでアメリカ市場の拡大を図る狙いがある。

コンビニ3社が共同配送の実証実験

一方で、大手コンビニ3社による共同配送の実証実験が始まっている。

経済産業省は、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンと実施している共同配送の実証実験を公開した。

共同の物流センターとトラックを利用し、商品を都内湾岸エリアのあわせて40店舗向けに配送する。

大手3社が共同配送を行うのは初めて。
各社が独自に配送した場合より、どの程度トラック台数を減らせるかなど検証し、8月末には結果を公表する予定。

経産省は、配送距離が長く、物流コストが高くなる過疎地のコンビニなどでの実用化につなげていきたい考えだ。

米国市場攻略のカギはラグビーW杯でも好評だった「中食」

三田友梨佳キャスター:
流通業界の動きに詳しいマーケティングアナリストの渡辺広明さんに聞きます。
大手コンビニは国内では協力して効率化を進める一方で海外進出を競っていく流れになるのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
そうですね。チェーン小売業というのは人口の増減と売り上げがすごく連動します。
これから日本は人口減になっていきますし、オーナーの高齢化も進んでいるので、フランチャイズオーナーの契約更新率が落ちるとも言われているので、今後売り上げがマイナス基調に変更すると言われています。

三田友梨佳キャスター:
そうした中で、共同配送をきっかけに3社の協力というのは進むのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
在庫を共有できるものはナショナルブランドの商品になるんですけど、コンビニエンスストアはプライベートブランドに力を入れているので、共同配送は効果が限定的になると思います。

ただし、国が音頭を取って大手3社が協力して取り組むということは、今後検証して助け合って次のステップに行くためにはすごく大事だと考えます。

三田友梨佳キャスター:
一方で、セブンによる2兆円以上を投じた大型買収の狙いはどこにあるのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
そうですね。米国市場攻略のカギとして、日本式のコンビニを現地で展開できるかというところになると思います。今回の投資はその足掛かりを築くために非常に重要だったと考えます。

三田友梨佳キャスター:
アメリカで日本式のコンビニを展開するためには何が必要なのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
そうですね。セブンイレブンはアメリカと日本で同じ看板を掲げていますが、品揃えが全然違いますよね。特に「中食」と言われるサンドイッチや弁当は全くアメリカは充実していません。

その辺りを充実することが大事で、ワールドカップラグビーが開催された時に、サポーターの皆さんが日本のコンビニの商品がすごく美味しいと話題になりました。なのでそこの充実がすごく大事だと思います。

三田友梨佳キャスター:
そうした中で、アメリカでセブンが成功するためには、どんな課題があるのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
アメリカでは中食を作る食品工場を充実させることと、それを運ぶ物流網をきっちりすることが大事だと思います。そのためには店舗網というのが非常に大事で、それを拡充することで2つのポイントをきっちり維持するためにも今回の拡充が大事だったんだと思います。

三田友梨佳キャスター:
今後は日本式の美味しい中食の充実がカギとなると考えていいのでしょうか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
そうですね。アメリカのコンビニは中所得者中心のお店と言われています。
今回、中食の美味しい商品を提供することで高所得者層も取り込んでいくことが大事だと思います。

また、今回はアメリカでしたが、海外の売り上げを取り込むことは今後非常に大事になるので、コンビニ各社はそこに成長エンジンをシフトしてくると思います。

三田友梨佳キャスター:
日本のコンビニの質に慣れてしまうと、海外のコンビニに少し戸惑うこともありますが、市場の伸びが期待できるアメリカでどのような展開を見せるのか期待したいですし、価格が折り合っていなかった大型買収が感染拡大によって前に進むという事例が今後も増えていくのか気になります。

(「Live News α」8月3日放送分)