オリンピック2大会でメダルを獲得したフィギュアスケートの宇野昌磨選手が2024年5月14日、記者会見し、競技生活にピリオドを打った。宇野選手が幼いころからともにスケートに励んできた村上佳菜子さんが、思い出を語った。
ソチオリンピックにも出場した、現在プロフィギュアスケーターの村上佳菜子さんは、宇野昌磨選手を「弟でありパートナー」だったと話す。
村上佳菜子さん:
ここではあえて昌磨と言いますけど、昌磨は本当に小さい頃からずっと一緒に練習してきて、私が引退するまでずっと同じ先生だったんですよ。なので本当に弟でもあり練習のパートナーでもあったり、私のスケート人生の中でも昌磨の存在はとっても大きかったと思います
2人とも同じ名古屋出身で、大須のスケートリンクで育った。3歳差で弟のように一緒に育ってきた宇野昌磨選手が現役引退を発表したことについては「ついに決断したんだなという思いが、一番最初に感じた気持ち」という。
宇野昌磨選手:
この度、私は現役フィギュアスケート選手を引退することとなりました。今日まで応援してくださった皆さん、本当に感謝していますし、今後もプロとしてですけれどもスケートの道を続けていくことに変わりはないので、引き続き応援してくれると嬉しいかなと思います。皆さんありがとうございました
21年の競技生活にピリオドを打った宇野選手。
宇野昌磨選手:
まず未練というところに関してなんですけれども、正直全くないです。自分としてはすごくこれからまた自由にスケートをやれることのうれしさとともに、昔の映像とかを振り返ってみても本当によく頑張ったなって
佳菜子さんと宇野選手が幼いころからきょうだいのようにスケートに取り組んできた様子が、映像にも残っている。
村上佳菜子さん(2006年):
昌磨、ちゃんとすわりゃー
名古屋弁で村上さんが宇野選手に語りかけ、仲良く食事をする姿も。
Q.大須リンクで特に覚えているエピソードは?
村上佳菜子さん:
いっぱいありますよ。手袋をすごく固くボールにする方法があって、ボールにして2人でキャッチボールをやったりとか。ドロケイって昔はやっていたと思うんですけど、追いかけっこしたりとか。練習するうえですごく楽しく過ごせたのは、昌磨のおかげかなと思います
そして、フィギュアスケーターとしての宇野選手の魅力は「表現力」だったと話す。
村上佳菜子さん:
選手としての宇野選手はジャンプももちろんそうなんですけど、フィギュアスケーターの中でも表現力にとても優れた選手の1人だなというのがあった
世界を舞台に活躍した宇野選手。実はジャンプばかりを追い求める「競技」としてのフィギュアスケートに壁を感じていた。
宇野昌磨選手(2023年):
世界選手権が終わった時は、結構マイナスな気持ちが強かったですね。あまりにもジャンプに固執しすぎてる、もう一度見たいと思わない演技だなっていうのは痛感していましたので
14日の記者会見では…。
宇野昌磨選手:
毎日の練習が楽しくなるような、自分が心から踊るようなスケートをしていきたいなと思っていて。競技から離れるので、自由にフィギュアスケートをやれるかなと。やるもやらないも自由だし、ジャンプを跳ぶ、スピンをやる、何もやるにしても自分で選べる。自分の生き方にもすごくマッチしているかなと思うので、楽しみだなと思っています
20年の付き合いがある佳菜子さんが、宇野選手の印象に残っている大会を聞いた。
村上佳菜子さん:
たくさん涙流しながら練習した思い出もいっぱいあるんですけど。やっぱり最初の昌磨にとってのオリンピック
2018年の平昌オリンピックに、当時20歳で臨んだこの大会で宇野選手は、羽生結弦選手に続いて銀メダルを獲得した。
村上佳菜子さん:
平昌オリンピックの時は本当に私も緊張しましたし、感動して涙も流れたし。ここまで頑張ってきた宇野選手の努力というのが、本当に世界の人たちに見てもらえた瞬間だったのかなと思います
宇野昌磨選手:
まさかテレビで見ていたオリンピックの舞台で、いい成績を残せるとは思っていませんでしたし。また世界選手権で優勝する選手になれると、本当にこの3~4年前まで思っていなかったので、フィギュアスケートとの出会いというのはすごく感慨深いものだなと思います
新しい道へと進み始めた宇野選手。今後は…。
宇野昌磨選手:
自分が今後演じていきたいスケートに関しましては、まずは自分が全力を出したい、そして日々楽しいと思えるプログラムを作って、自分の感情が前のめりに出てくるようなプログラムを皆さんにまずはお披露目できたらなって思っていますし、そういった先に、これやらなきゃではなく、やりたいという気持ちから現れる素晴らしいプログラムが今後作れるんじゃないかなって、今ワクワクしています
Q.これからの何に期待しますか?
村上佳菜子さん:
バラエティーとかで共演したいなとは思いますけど。リンクももちろんそうですけど、バラエティーとかでも何かできたらいいなと。いつもいじってくるんです、会うと。「あ、芸能人来た」みたいな。ぜひ何か新しいフィールドで共演できたらいいなと思います。宇野選手もずっとスケートに捧げてきて、毎日本当にスケートのために生きてきたという人生だと思うので、引退してもちろんスケートもありつつもっと幅が広がっていくと思いますので、どういう選択をしてどういう人生を歩んでいくのかとても楽しみですね
(東海テレビ)