感染状況を4つの段階に

政府は31日、新型コロナウイルス感染症対策の分科会を開催し、全国共通の指針を作ることで合意した。

31日の分科会では、感染状況を4つの段階に分けたうえで、次の段階に移行する予兆が出た時点でとるべき対策についてまとめた。

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「感染ゼロ散発段階」は、感染者が散発的にしか発生しておらず、医療提供体制にも支障がない状況。
現在、多くの地域は、この段階としている。

続く「感染漸増段階」は、感染が徐々に増え、医療提供体制の負荷が蓄積される状況のことをいい、現在、感染者が増加している東京都、大阪府などが、この段階にいるという認識を示した。

クラスターが多発するような状況は、「感染急増段階」。
そして、一番深刻な状況を「感染爆発段階」とし、医療提供体制が機能不全に陥るくらいになることを指すとした。

感染症対策分科会・尾身会長:
次の段階に移ったことがわかってから対策をとっては遅すぎる。
危機管理感染症対策でも、なにか大変なことがある予兆を早めに見つけて、
悪くなる前に対応を打つというのが感染症対策危機管理の要諦であるので

 

強制力のある対応の検討も

感染急増の予兆をとらえた場合は、ガイドラインを順守していない、お酒の提供を行う飲食店への休業要請など、さらに感染爆発の予兆をとらえた際には、緊急事態宣言など強制力のある対応を検討する必要があると提示した。

感染症対策分科会・尾身会長:
今回、分科会がコンセンサスだったのは(得たのは)、ここの感染急増段階という中間地点を今回は設けた。
ここは最悪なので、この中間段階には絶対にいかないように、みんなで努力しようということ

西村経済再生担当相:
医療提供体制を数値で表したり、あるいは重症者の数、60代以上の高齢者の感染者の数、新規感染者の数。
こういったところを、どういう数値で見ていくのかということを今後さらに詰めていくことになる

指標の数値は、各都道府県と意見交換したうえで、次回の分科会で決める方針だ。

国と自治体の役割とは

内田嶺衣奈キャスター:
国と自治体それぞれが担う役割をどのようにすみ分けていけばいいのでしょうか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
これはますます、これから先は各自治体の状況に応じた現場の判断、ここを尊重して対応できるかが重要だと思うんです。
私は現場の捉え方をどう捉えるかによって、自治体の役割方がだいぶ変わるんじゃないかと私は思うんです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
現場を末端と捉えるのか先端と捉えるのか?
私は「末端ではなく先端」と捉えるべきだというふうに考えるんです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
具体的に今いろんな起こっている事象というこの現場はまさに国から見ますと都道府県とか、市町村を通して見ますから、
最も距離が遠いある意味で末端というふうに捉えられがちなんですが、
実は非常に重要なのは、この現場で起こっていることを先端と捉えて、そこの先端での情報を持っている市町村や区のレベル並びに都道府県のレベル、
これを国がどうバックアップするのか?ある種こういう手順で考えていくということが非常に大事なんです。
こういった中で国の役割というのを見直していく必要があるのではないかなと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
そういった見直しをして国は具体的にどのようにしていけばいいんでしょうか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
今地方自治体が求めていることは大きく二つあるんです。

一つは財源の問題です。
実際にいろんな休業の手当て等々をする上で地方には財源がない。
地方創生の交付金の枠をもう少し広げる等々によっていかに確保できるか。
これが一つです。

もう一つは法改正も含めた環境整備です。
いろんな休業の要請、それに伴う補償みたいなあり方を可能にできるかどうか。
並びにいろんなところが仮に守られなかった場合の強制手段みたいなものもしくは罰則規定みたいなもの。
こういったものも法的な基盤を整備することによって、より自治体が動きやすくする。
要望に応えていくというのが、国の役割ではないかなというふうに思うんですね。
先ほど申し上げたようにこの現場というのは「末端ではなくて先端」だというふうにとらえて、この先端である自治体、市町村と国レベルとか都道府県これが最も動きやすいような形をいかに国が支えていくか。
こういった方向性の中で国と都道府県が足並みをそろえて対応していく姿勢がこれから最も大事ではないかなというふうに思います。

内田嶺衣奈キャスター:
感染拡大を食い止める最後のチャンス。
そういった強い言葉も聞かれています。
そのためには国と自治体の連携はもちろん欠かせませんが、もう一つは私たち一人ひとりが気を引き締め直すことが大切なのではないかなと思っています。

(「Live News α」7月31日放送分)