最大10連休となる、今年のゴールデンウィーク。
「めざまし8」が向かったのは、年間約140万人の観光客が訪れる、和歌山県の高野山です。

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2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」が、2016年には「女人道」などが世界遺産に登録。その影響もあってか、多くの外国人観光客が訪れていました。

ドイツからの観光客:
ずっと来たいと思ってたの。もう何年も来たいと思っていて、今年やっと来ることができました。(ドイツで)いろんな旅行雑誌を読みあさって、その中にあったので興味を持ちました。

宿泊施設である宿坊 西禅院は、ゴールデンウィーク期間中、ほぼ満室だといいます。
修行体験では、外国人観光客向けに英語で書かれた商工や朝のお勤めマニュアルも。

高野山真言宗 別格本山 西禅院 後藤慈延住職:
現在は、インバウンドの方に非常に多くお越しをいただいておりまして、1日のなかでも7割、8割超えてくるような、外国の方にお泊まりをいただいております。

そんな高野町で、いま 問題となっているのが、観光客が集中することで住民の生活などに影響を及ぼす「オーバーツーリズム」です。

取材スタッフ:
歩道を覆いかぶしてしまうような形で、車が止められています。

駐車場に止められなかったのか、路側帯には多くの車が止められ、止まっている車を避けるため歩行者が車道を通らないと進めない場所も。中には、歩道にある点字ブロックの上に止めている車までありました。

高野山で露店を営んでいる地元の人は、観光客が捨てたとみられる“ごみ”に悩んでいると話します。

高野町に住む人:
ごみは捨てられても、私どもが掃除しますけどね、たばこの吸い殻も捨ててある時があるんですよ。それが危ない。知らない間に捨てられているからね。

高野町によると、ごみの放置を防ぐため、町の職員や業者が早朝からポイ捨てごみの回収を行っているといいますが、取材スタッフが少し歩いただけでも、道ばたには、ごみやタバコの吸い殻が捨てられていました。

住民が救急車利用できず…「訪問税」導入検討も

人口わずか2641人の小さな町に訪れる、年間約140万人の観光客と参拝客。
ゴミ問題以外にも、地元の人が頭を悩ませているのが、“救急”です。

救急搬送される人の半数以上を観光客が占めることもあり、町にある2台の救急車を住民が利用できないことがあるといいます。

そして、一番問題となっているのは、「渋滞」。
お盆や紅葉シーズンなどの繁忙期には、最大1000台を収容できる駐車場に、7000台以上の車が殺到する日もあるため、町の至る所で渋滞が発生。

こうした事態に、高野町の平野嘉也町長は…。

和歌山・高野町 平野嘉也町長:
パークアンドライドの実施。将来的には、高野山に入る手前くらいにそういう駐車場も作って、回遊するようなバスで皆さんを送り届ける。

また、オーバーツーリズム対策として、観光から徴収する法定外税である「訪問税」を、2028年4月めどに導入する方針です。
これは、駐車場の警備や公衆トイレの維持管理費に、年間約5000万円かかっていることから、導入せざるを得ないといいます。

和歌山・高野町 平野嘉也町長:
限界に近いと私は思います。人口は減っていくなかで、税収も減っていく。やはり住民が迷惑を感じないような観光の維持、インフラ整備をしていかないと、いろんな負担を公平にしていくことが、これから必要ではないかなというふうに考えています。

しかし、「訪問税」の徴収案には高野町“ならでは”の課題も…。

高野町は、弘法大師空海が開いた高野山真言宗総本山・金剛峯寺を中心に形成された町で、日本のみならず世界中から多くの参拝者が訪れています。

高野山 別格本山 西禅院 後藤慈延住職:
お参りをする、またお墓参りをするというような目的とした方々から、そういった税というのを取るというのは、少し難しいところでもあるのかなっていうふうな思いも、もちろんあります。

信仰目的で訪れている人にまで「訪問税」を徴収すべきなのか。観光客や地元住民はこの案をどのように感じているのでしょうか?

観光客:
お手洗いとかきれいに整備されていたりしたので、そういうのを維持したり、新しいのを作ったりするのに、やっぱ必要なのかなと思いますね。

地元の人:
高野山は「七口」って言って、入山するところが7つあるんですよ。そういうところで入山税を徴収する人を、1人ずつおくっていうのも大変だと思いますし。

「訪問税」を 2028年4月をめどに導入する方針の高野町。

和歌山・高野町 平野嘉也町長:
この参拝地・観光地が、将来的に持続可能な場所を築き上げるために、広くですね、
多くの皆さんにご協力を、ご支援をいただきたいというのが、私の考えであります。
(「めざまし8」4月29日放送より)