17日、午後11時14分ごろ。愛媛県と高知県で震度6弱を観測する強い地震が発生しました。
地震が発生した場所は、甚大な被害が予想される南海トラフ沿いの巨大地震が懸念されるエリアです。

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地震発生直後の映像には、愛媛県松山市の飲食店で食事をしていた人たちが、次々と野外に避難する様子が。

「電柱が揺れてる、南海地震だったら2分くらい揺れてるかもしれない…まだ揺れてる感じがする。揺れてる、これ長いよ」

長く続く大きな揺れに、「南海トラフ地震」への不安を口にする人々。
震度5弱を観測した愛媛・八幡浜市でも、飲食店にいた人たちが路上に避難していました。

八幡浜市の飲食店:
急に揺れ出したのでカウンターの下に入ることもできないくらい揺れましたね。動けんかったです。

宇和島市内で撮影された住宅内の映像では、家具が倒れ、足の踏み場がないほど物が散乱しています。

宇和島市在住の男性:
10時半ごろに部屋を真っ暗にして寝ようとしてて、寝ようとしたときに、ちょっと最初揺れて、また地震かな、怖いなと思ったら、そっから一気にバーッて揺れてた感じでした。

南海トラフ地震との関連は?

気象庁によると、愛媛県と高知県で震度6弱以上の揺れを観測したのは、現在の震度階級が導入された1996年以降、初めてのこと。
18日未明に気象庁が行った会見では、南海トラフ地震との関連についての質問が飛びました。

――南海トラフ地震について分かっていることを教えてください
原田智史地震津波監視課長:

南海トラフ地震の発生を検討する、調査するという地震の基準というのがマグニチュード6.8以上の地震ということになりますが、今回の地震はマグニチュード6.6ということで、これをもってただちに調査に入るということはいたしておりません。
今後どのような関係があるのかということについては専門家の間で検討がされると思いますが、少なくともこの地震の発生をもって評価検討会を行うということは考えておりません。

今回の地震は南海トラフで想定される震源域で起きましたが、地震の規模が基準を下回っていることなどから、南海トラフ地震の可能性を評価する臨時の検討会は行わないといいます。今後については…。

原田智史地震津波監視課長:
地震発生から1週間程度、最大震度6弱程度の地震に注意してください。特に今後2、3日程度は規模の大きな地震が発生することが多くあります。

深夜に発生した震度6弱の地震。

めざまし8スタジオでは、東京大学地震研究所名誉教授の笠原順三氏に、今回の地震と南海トラフ地震との関係について伺いました。

東京大学地震研究所名誉教授 笠原順三氏
東京大学地震研究所名誉教授 笠原順三氏

東京大学地震研究所名誉教授 笠原順三氏:
今回の地震活動は、南海トラフの活動の一番西端なんです。南海トラフの地震活動というのは、フィリピン海プレートの縮みこみなんですが、これは南海・東海それから首都圏までつながっていて、この前の千葉の地震あとに茨城県南部の地震が起きましたよね?あれはすべてフィリピン海プレートの地震なんです。全部の地震活動が、連携して起こる可能性が非常に高いと思います。

今年発生した震度5弱以上の地震は23回。3月15日から約1カ月間で、17日の地震も含めて5回も発生しています。

内閣府の資料によると、南海トラフを東側と西側に分けると、どちらか片側でM8以上の地震が発生すると、残る一方で1週間以内に同規模の地震が発生する確率が平常時より100~3600倍高まるとのデータがあります。

――今回の豊後水道を震源とする地震は南海トラフの西側、今後南海トラフ東側でも続けて大きな地震が起きる可能性はあるのでしょうか?
東京大学地震研究所名誉教授 笠原順三氏:
東海沖、南海沖に境目がある図になっていますが、その境目があるかというと、実は熊本地震の1週間前に紀伊半島の沖で地震活動がありまして、それはその境目にまたがって起きているんですね。つまり今回の地震活動が二つの領域でいっぺんに影響する可能性が高いと考えられます。一緒に起こる可能性が非常に高いんです。(東西で)ほとんど同時に起こる可能性が高いということになると、その時は巨大津波が起こる可能性も高いと言うことになります。
フィリピン海プレートは全部つながっています。一番東側が茨城や千葉の地震なので、首都圏直下の地震もあわせて警戒する必要があると思います。

――最近大きな地震が海外でも起きている気がするんですが?
実は今回の四国の地震とほとんど同時に、台湾でマグニチュード5の地震が起きているんです。これは全部フィリピン海プレートでつながっているところなんです。
かなり離れていてもやはり関係しながら起きている可能性が非常に高いと思います。
(めざまし8 4月18日放送)