働く人の44.4%がセルフケアを実践しており、自身の健康管理に積極的であることが明らかになった。
実践内容は、「十分な睡眠をとる」が最も多く、次いで「食事の管理」という結果だった。
専門家は、テレワークの普及が健康管理の自覚を促進すると分析している。

テレワークでセルフケア意識向上へ

テレワークをしている人は、セルフケアの実践率が高いことがわかった。

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第一三共ヘルスケアが、働く人を対象に行った調査によると、「セルフケア」の実践率は44.4%だった。
実践内容では、「十分な睡眠をとる」が最も多く、「1日3食食べる」、「朝食を食べる」が続く結果となった。

働く人にとって、「セルフケア」は必要不可欠。
今回の調査は、「テレワーク」に注目している。

コロナ禍以前と現在で、「セルフケア」に対する意識が変化したかを聞いたところ、「テレワークがある」人は、「ない」人に比べ、その重要性を実感し、実践度も高いことがわかった。

この結果について、第一三共ヘルスケアは、「テレワークという働き方の選択肢が、セルフケアを高めるきっかけにつながった」と分析している。

「頑張りすぎ」自由だからこそのリスク

「Live News α」では、働き方に関する調査・研究を行っているオルタナティブ ワークラボ所長の石倉秀明さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
── 自分の健康は自分で守る「セルフケア」。石倉さんは、どうご覧になりますか?

オルタナティブワークラボ所長・石倉秀明さん:
コロナ禍を経て、セルフケアの意識や習慣が高まったことはあると思う。

例えば、手洗い・うがいは以前よりも習慣化したし、少しでも体調を崩すと仕事を休むのが当たり前になった。結果的に、以前よりも気をつけるようになったという人は少なくないはず。

こういった健康への意識の変化はもちろんだが、働き方も変わったこと。つまりテレワークや副業をしている人も増えた。その人たちは、自分で健康管理をしないといけない。そういうふうに自覚している人たちが多いのでは。

堤キャスター:
── 場所や時間に縛られない働き方が増えたことで、その分、自分で管理することが、より求められるようになったかもしれませんね。

オルタナティブワークラボ所長・石倉秀明さん:
実は、テレワークにしても、副業にしても、自分でセーブしないかぎり、いくらでも仕事ができてしまう。これが健康を害することにつながるケースがある。

最初は高揚感もあるので、頑張れるかもしれないが、それが続くとバーンアウトする要因にもなる。

とある民間の企業の調査では、1日4件以上の会議がある人は、“隠れ不調”の確率が高いといったものがあった。

これは、会議はもちろん、たくさん働く人、頑張りすぎてしまい休息が足らない人は、やはり、健康を損なうリスクがあるということ。

企業・個人で休息重視の働き方を

堤キャスター:
── 今、企業は、生き生きと元気に働くことに責任を持つことが求められているようですが、そのポイントについては、いかがですか?

オルタナティブワークラボ所長・石倉秀明さん:
実際に以前、フルリモートワークの会社を経営していた時は、働かせすぎないこと、働きすぎていないかの管理の方が重要だった。

そういう意味では、いかに「きちんと休むか」が企業にとっても、個人にとっても、必須になってきている。

例えば、勤務間インターバルのように休ませることが、無理に仕事をさせず、我慢を強いることなく、いい仕事につながる。それを企業も、個人も理解して、実際に行動することが重要。

堤キャスター:
心と体の不調は自分にしかわからないことです。
我慢することではなく、その不調とどう向き合うのかを考えることが大切ですし、企業もまた、無理をさせない環境作りや、対応が求められているように思います。
(「Live News α」4月16日放送分より)

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