9日、政府は2026年から徴収が始まる「子ども・子育て支援金」について、被用者保険の年収別の負担額の試算を公表しました。
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被保険者1人あたりの2028年度の負担額は、年収200万円で月350円、年収600万円で月1000円。年収1000万円で1650円と試算。総額約1兆円が徴収されます。
この負担額に対して、街では…。
50代会社員 男性・子どもがいる(年収約1000万):
収入に対する負担額っていうのは、妥当といえば妥当なのかなって思うんですけど。年金と一緒で、みんなで出して、子どもたちを育てていくっていう感じだと思うんで。子どもを持つ身としてはありがたいです。
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50代会社員 女性・母子家庭(年収約400万):
月にこれ…やっぱり厳しいですね。ちりも積もればじゃないけど。まだまだこれから子どもにお金がもっとかかるのに。
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政府がこれまで負担額について、扶養家族などを含む加入者1人あたり平均で約500円と説明していたことに触れ、不安を感じる人も。
20代会社員 男性・独身(年収約400万):
徐々に(負担額を上げていく)っていうのはちょっとまぁ…うまいことやられているなと思いますけど。
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50代会社員 女性・子どもがいる:
なんで国民だけに、こういった負担をさせるのかなっていう。させるんだったら、もっと政治の世界、議員たちを減らすとか、そっちから考えるべきなんじゃないのかな?ってね。
「異次元の国民負担」
現代政治に詳しい、法政大学大学院の白鳥浩教授は、今回出された負担額の試算について、こう話します。
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法政大学大学院 白鳥浩教授:
これは異次元の国民負担と言ってもいいと思います。そもそもこれだけの重要なことを発表するのに首相はいない。外遊中と。何か説明責任を回避しているような気がします。
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パトリック・ハーラン氏:
僕はこのやり方に大いに文句がありますよ。まず医療保険にくっつけるってどういうことですか?子ども支援に関係ないのでは。あと、所得税であればいいんですけど、これはいわゆる非累進課税になっていまして、最高年収が1000万円で頭打ちじゃないですか?ですから、1億円2億円の年収の方でも同じ数字(1650円負担)です。
累進課税であれば、年収が上がるにつれ払う税率が上がるんです。これは下がっているんですよ?年収が低い人こそ負担が重い仕組みになっていて、これは納得しないですよ。
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政府は今回の負担について「支援金制度は歳出改革による保険料負担軽減の範囲内で構築する事が基本」とし、「実質的な負担は生じない」という説明を繰り返しています。
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支援金制度で国民健康保険組合などが保険料に上乗せする代わりに、歳出改革で医療・介護分野の社会保険料を負担減することで、バランスを取るというのです。
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法政大学大学院 白鳥浩教授:
これはかなりトリッキーな話しでして、実質的には国民の負担は増えていくんですけども、岸田首相は「増税メガネ」とやゆされていたことがありまして、それがちょっとトラウマになり「税金」と言いたくないというところがあるのではないかと。
ただこれは、実質的な増税になっていくのではないかと。確かに岸田首相は賃上げであったり、歳出改革すれば実質的な負担は生じないと言っているんですけども、これを見ても、もう金額は出ているわけで、負担になっていくんです。
フジテレビ解説委員 風間晋氏:
払う方からしてみれば、「増えたね」とそれだけであるし、首相の言っている歳出改革って今までできた試しがないんです。それをあたかもできるかのように言って、そもそもがそれが基本だと言っているから、できないことはいくらでもあるわけで。そこら辺が素直に信用できないよねと。
「子持ち様」国民の分断も
さらに、今回の支援金を巡っては、国民の間で、“子どもがいるかいないか”の摩擦を生んでしまっています。
40代会社員 男性・子どもがいる:
出生率が低くなっていく中で、子どもを持っている家庭とか少ないじゃないですか。なので、僕は不公平を感じるので、あまり良くないなというふうに感じています。
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会社員 男性・独身:
子育てする人だけが優遇されているんじゃないかなっていうのはありますね。
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20代会社員 女性・独身:
やっぱり独身の人は子どもがいないから、特別もらえる独身手当とかもないですし。
たしかに人ひとり育てるのにお金かかると思うんですけど、(子どもを持つ人に)国民がお金を払うっていうのは、義務にするのは批判もあるんじゃないかなと。
一部SNSでは、子どもがいる家庭を「子持ち様」と皮肉を込めた文言で称することも。
――政策で世代間の分断が起きてしまっていることについて
法政大学大学院 白鳥浩教授:
岸田政権の政策は、分断を生む政策が多いんです。例えばマイナカードもそうですし、投資もそうですし。今回も、岸田首相の説明不足という部分があるのではないかと。サービスというのは基本受益者負担なのですが、日本は年齢給なので高い人ほど多くお金を払うと。高い人は大体年齢が上の人なので、子育ては終わっている人なんです。だからちょっと、そういうちぐはぐがあるのではないかと。
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金子恵美氏:
恩恵を受ける受益者と、その財源を負担する負担者との分断になっているのだとしたら、結果的には子どもたちが老後であったり、国家を守ってくれる、支えてくれると考えていただきたいところも正直あります。ただ、今お子さんがいらっしゃらない方にとっても、これが本当に実効性のある少子化対策なら負担も考えるよという人もいらっしゃると思うのですが、問題はそこですよね。だから、この政策が少子化対策なのか子育て支援策なのか、ここを混同してしまっている。結婚しない、子どもを産むことを考えるのはなぜなのか、正直根本的な、経済的な問題だということが、この政策の視点にないのが問題だと思います。
(「めざまし8」4月10日放送より)