外食チェーン「松屋」が、世界の伝統料理を提供して注目を集めている。
東京オリンピックをきっかけに始めたこの試みは、多くの国からコラボの申し出があり、各国大使も自国の料理をPRする場として利用している。

各国の伝統料理を展開する松屋 外交の場にも

今、各国から注目を浴びているという、外食チェーン「松屋」。

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その“推しメニュー”はというと、定番の牛めしではなく、あまりなじみのないメニューだった。

訪れた客は、食べている料理について、「ルンダンというマレーシアの料理」とコメント。
別の客は「松屋牛肉エスニック炒め」と料理名を答えた。

展開しているのは、各国の伝統料理。
2021年の東京オリンピックをきっかけに始めたという。

中でも話題となったのが、ジョージアの「シュクメルリ鍋定食」。
シュクメルリは、鶏肉をニンニクの効いたホワイトソースとチーズで煮込んだ伝統料理で、「ニンニクを世界一おいしく食べるための料理」とも称されている。

販売当初、松屋を訪れシュクメルリを食べた、ジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使はこう振り返った。

「ジョージアの料理が日本で提供されている状況に、すごく喜びと驚きを感じたんですね。ほかの外国の友人たちに自分の国を認めてもらうこと、知ってもらうこと、こういう喜びはやっぱりすごく強いんですね」

時には大使同士の外交の場ともなってきた松屋。
さまざまな国とコラボをする中で、会談の様子がSNSで発信されると、各国から続々とオファーやコメントが寄せられた。

リトアニアのオーレリウス・ジーカス駐日大使は「リトアニアの料理も、是非紹介してください!」とXで発言。
オーストリア政府観光局も「松屋さんのメニュー開発を指くわえて見てるオーストリアですが、ウィーン風フィアカーグラーシュなんてどうでしょう」と発信した。

日本の白いご飯に合う各国メニューを開発中

多くの国々が、松屋とのコラボに期待する理由は、何なのだろうか。

リトアニアのオーレリウス・ジーカス駐日大使は「店舗数が多く、なじみの店ということで、より多くの日本人に楽しんでもらえるのではないかと思った」とコメント。

オーストリア政府観光局は「全国に1000店舗を持ち、多くの方々にオーストリアという国に親近感を持っていただくきっかけになると期待しています」と話している。

店舗数が多く、身近な外食チェーンであることに価値を見いだしている各国。
大使が店を訪れ、自国のメニューをPRするのは、その影響力に期待してのことだ。

一方の客は、各国の料理をどう受け止めているのだろうか。

訪れた客は「ああこういう料理もあるんだなって」と話す。
ほかの客も「身近で非常にいい。体験できて食べることもできて」とコメントしている。

松屋は今後も定食スタイルで、海外の味のメニュー開発を進めるとしている。

松屋フーズ広報・寺島慶子さんは「どれだけ日本の白いご飯に合わせることができるか。徐々に開発は進めていきたいと思っております」と話している。

熱烈なラブコールを送るリトアニアやオーストリアの料理についても、商品化に向け検討中という。
(「イット!」 4月9日放送より)

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