天皇皇后両陛下の長女・愛子さまは、3月26日、三重県を訪問し、伊勢神宮を参拝されました。お一人で地方を訪問されるのは初めてです。

参拝用の白いロングドレスに着替えられた愛子さまはまず、衣食住の神・豊受大神(とようけのおおみかみ)をまつる外宮へ。正殿の手前で玉串を捧げ、拝礼されました。

内宮・参道を進まれる愛子さま(三重・伊勢市)
内宮・参道を進まれる愛子さま(三重・伊勢市)
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内宮の参道では、参拝客からの歓声に会釈をしながら進まれた愛子さま。厳かな面持ちで皇室の祖先とされる天照大神(あまてらすおおみかみ)がまつられている正殿に向かい、学習院大学の卒業と日本赤十字社への就職を報告し、深く拝礼されました。

内宮・正宮の内玉垣南御門前に進まれる愛子さま
内宮・正宮の内玉垣南御門前に進まれる愛子さま

所作などについて、両陛下からも事前にアドバイスを受け、初めてのお一人での参拝を無事終えられた愛子さま。このあと、うれしい再会を果たされました。

皇室から神馬として贈られた「本勇(もといさむ)」号です。2023年の秋、ご一家は厩舎(きゅうしゃ)を訪れ、お別れをされていました。愛子さまは、伊勢神宮での元気そうな姿に大変喜ばれたといいます。

令和5(2023)年10月 皇居内の厩舎で本勇号にエサを与えられる天皇ご一家
令和5(2023)年10月 皇居内の厩舎で本勇号にエサを与えられる天皇ご一家

翌27日、愛子さまは、明和町にある斎宮歴史博物館を視察されました。出迎えた地元の小学生から大きな歓声があがると、子どもたちのもとへと歩み寄られました。
子どもたちからの「おめでとうございます!」「卒業したんやで、大学!」「ニュースで見たわ!」と元気な声に「近くの小学校?」「学校は楽しい?」などと声をかけ、笑顔で交流されました。

地元の子どもたちとご交流
地元の子どもたちとご交流

斎宮歴史博物館では、天皇に代わって伊勢神宮に仕えた未婚の女性皇族「斎王」に関する展示をご覧になりました。平安時代、斎王が暮らした御所「斎宮」の復元模型の前では「居住スペースはこちらの寝殿で?」と尋ね、1人の斎王に500人以上が側で仕えたという説明に驚かれたご様子でした。

斎宮歴史博物館(三重・明和町)
斎宮歴史博物館(三重・明和町)

斎王と鷹狩りにきた天皇の使いのラブロマンスが描かれた「伊勢物語絵巻」の一場面もご覧になった愛子さま。斎王の恋愛について「タブーですか?」と尋ね、神に仕える斎王は恋愛が禁止されていたという説明に、「これが描かれているのが面白いですよね」と話されていました。

伊勢物語絵巻 第69段「狩の使」の一場面(斎宮歴史博物館 蔵)
伊勢物語絵巻 第69段「狩の使」の一場面(斎宮歴史博物館 蔵)

続いて、平安時代の歴史や文化を体験できる施設「いつきのみや歴史体験館」を訪れ、地元の小学生と一緒に平安貴族の遊び「貝覆い」に挑戦されました。

裏返したハマグリから2つを選び、ぴったり合う貝殻を探す遊びです。愛子さまが最初に選んだ貝殻がピタリと合うと、拍手が沸き起こりました。平安装束に身を包んだ小学生には「コツは何かありますか?」などと質問されていました。

いつきのみや歴史体験館(三重・明和町)
いつきのみや歴史体験館(三重・明和町)

最後に向かわれたのは、奈良県橿原市にある神武天皇陵。淡いグレーの参拝用のロングドレスに着替え、初代天皇とされる神武天皇に玉串を捧げ、静かに拝礼されました。

神武天皇陵(奈良・橿原市)
神武天皇陵(奈良・橿原市)

初めて、お一人での地方訪問を無事に終え安堵されたという愛子さま。行く先々で多くの人から温かい歓迎を受けたことに感激し、「非常に印象深い訪問となったことを心から有り難く思いました」と振り返られました。
(「皇室ご一家」4月7日放送)