裏金問題をめぐって二階元幹事長が3月25日、次の衆院選に出馬しないことを表明した。揺れる自民党にさらなる激震が走っている。

不出馬「自ら決めた」

午前10時過ぎ、FNNのカメラに向かって「ご苦労さん」と一声かけて自民党本部の会見場に入った二階俊博元幹事長(85)。記者会見で次の衆議院選挙に出馬しない考えを明らかにした。

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二階元幹事長:
私はこの際、自らの政治的責任を明らかにすべく本日、岸田文雄自由民主党総裁に対し、次期衆議院選挙に出馬しないことを伝えました。

自らも5年間で3526万円の不記載が判明、秘書が略式起訴
自らも5年間で3526万円の不記載が判明、秘書が略式起訴

二階氏をめぐっては、自身が会長を務めていた二階派で、政治資金パーティーをめぐる問題が発覚。さらに自らも、5年間で3526万円の不記載があったことが分かり、秘書が略式起訴された。

重い処分が避けられないとの見方が広がる中で、自ら不出馬を表明したのだ。

――執行部の処分の動きは、出馬しない判断に影響があった?

二階元幹事長:

影響はありません。自らが決めたことです。

会見には、二階氏の側近の林幹雄衆院議員も同席。記者からの質問に対し、二階氏に代わって答える場面が目立った。

二階氏の側近の林氏も同席
二階氏の側近の林氏も同席

――今後(政倫審に)出席する考えはありますか?

林衆院議員​:

出席は自分の判断でしてますので。

そして、現在85歳の二階氏に対する質問では…。

――(不出馬は)ご年齢の問題なんでしょうか?

二階元幹事長:

年齢の制限があるか?お前もその年くるんだよ。ばか野郎。

記者の質問にいら立ちをあらわに
記者の質問にいら立ちをあらわに

85歳という高齢が不出馬に関係するかと聞かれ「ばか野郎」とつぶやくなど、終始いら立っているように見えた。

地元の和歌山・太地町で行われたクジラの研究施設の完成セレモニーにて。はっぴを着て満面の笑み(3月23日)
地元の和歌山・太地町で行われたクジラの研究施設の完成セレモニーにて。はっぴを着て満面の笑み(3月23日)

23日、二階氏の地元、和歌山・太地町で行われたクジラの研究施設の完成セレモニーに出席した際には、おそろいの法被(はっぴ)を着て、満面の笑みを浮かべていた。

次の衆院選に出馬しないことについて、地元の人からは「これからまだ頑張ってほしい方でしたからね、非常に残念だと思いますね」との声が聞かれた。

一方、裏金をめぐる安倍派幹部への処分に影響が及ぶとの見方も広がっている。

自民党関係者:
二階氏が身を引いた以上、安倍派幹部への影響は避けられないだろう。

岸田首相は26日、党執行部とともに自らも追加の聞き取り調査を行う見通し。
(「イット!」 3月25日放送より)

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