“はしか”は大人の症状重く
はしか(麻疹)の感染が全国で相次いでいる。“はしか”は感染力が極めて強く「39度以上の高熱」「全身の発疹」「せきや鼻水」などの症状のほか、肺炎や中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われている。特に大人がかかると症状が重くなりやすいという。
今年は風疹も“流行”の可能性あり
実は、今年は“はしか”だけでなく風疹も流行の恐れがあるという。風疹は4~5年ごと流行が繰り返されていて、前回は2018年から19年にかけて流行していた。
今年はちょうど流行の可能性がある年にあたる上、海外からの人の往来が増えるとともに国内で流行する可能性が高まるという。
風疹の無料予防接種が“はしか”にも対応
その“はしか”と風疹の両方に最も有効な対策が予防接種だという。
この記事の画像(3枚)“はしか”と風疹の予防接種は1歳~2歳未満の第1期、幼稚園・保育園・子ども園等の年長にあたる年齢の第2期の2回の定期接種は無料だが、これを逃すと自らお金を払って受けることになる。
しかし、無料で“はしか”の予防接種を受けることができる場合がある。それが国や自治体の風疹の予防接種補助だ。風疹の予防接種に使われるMRワクチンに“はしか”のワクチンも一緒に入っている。
つまり風疹の予防接種補助を利用することで、無料で“はしか”の予防接種も受けることができるのだ。
無料接種を受けられる人とは
では、どのような場合に無料で“はしか”の予防接種を受けることができるのか。
(1)妊娠希望の女性及び同居者、妊婦の同居者
妊娠初期の女性が感染すると合併症や早産、流産、洗練性風疹症候群(CRS)を起こす危険がある。先天性風疹症候群(CRS)は、風疹に免疫のない女性が妊娠初期に風疹に感染し、風疹ウイルスが胎児に感染することにより、出生児に先天性の心疾患、難聴、白内障等の障害を起こす病気のことだ。
妊娠希望者やその同居家族は、抗体検査と、抗体が不足してた場合の予防接種を無料でうけることができる補助がある。自治体ごとに異なるものの、同居の祖父母も補助対象となる場合もあるという。
(2)1962年(昭和37年)4月2日~1979年(昭和54年)4月1日までに生まれた男性
この年代の男性は過去に公的に予防接種が行われていないため、自分が風疹にかかり家族や周囲の人たちに広げてしまう恐れがあるので、風疹の抗体検査及び予防接種が原則無料となる。
妊娠希望者でなくても無料接種できることも
しかし、上記の場合にあてはまらなくても、新宿区などでは2歳以上18歳以下の定期接種未接種者(ただし定期接種対象者(年長児)を除く)を補助対象としており、葛飾区や足立区では19歳以上でも一定の条件を満たせば抗体検査と予防接種が全額補助される。
“はしか”の感染が相次いで確認される中、今年は風疹の流行の可能性があるという。自分の居住地でどのような予防接種補助があるのか、確認しておくのも良いのではないか。
(執筆:フジテレビ社会部 都庁担当 小川美那)