長野市の温泉施設で心肺停止となった70代男性をAEDなどを使って速やかに救助したとして施設の職員らが消防から感謝状を贈られた。男性の命を救ったスタッフは、「パニックで手も脚も震えたが、1分1秒がすごく大事」と思い、必死に救助活動にあたったという。

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急に心臓を押さえて倒れる…

感謝状を贈られたのは、長野市の温泉施設「うるおい館」のスタッフ。連携して心肺停止となった客の命を救った。

スタッフの池松洋平さんは、「命を救えたというところでほっとしています」と、微笑んだ。

感謝状を贈られる
感謝状を贈られる
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長野市のうるおい館。宿泊・日帰りでも人気の温泉施設だ。

2023年10月、常連客の70代の男性が入浴後、フロント前で無料送迎バスを待っていたところー。

池松さんは、当時の状況について、「急に心臓を押さえて、ちょっと歩き始めて、この辺で1回手をついて、なんとか手で押さえて立っている状況で、数十秒で崩れ落ちるように倒れて」と話す。

70代の男性は急に心臓を押さえて
70代の男性は急に心臓を押さえて

心肺停止…懸命の救助活動

(当時の状況を再現)

池松さん:
「大丈夫ですか」

スタッフ:
「(心臓)止まっている、止まっている」

池松さん:
「AED持ってきてください」

男性は心肺停止の状態だった。

すぐに池松さんは消防に連絡、他のスタッフはAEDを使用したり「胸骨圧迫・心臓マッサージ」を行ったりしながら、懸命に救助活動に当たった。

スタッフによる再現
スタッフによる再現

1秒1秒が大事

池松さんは、「倒れた瞬間は僕もパニックで手も震えて脚も震えて。でも、1分1秒がすごく大事な時間になると思ったので」と、必死だったと話す。

数分後、男性は息を吹き返した。

池松さんは、「もしかしたら亡くなってしまうかもと思ったので、息してくれた瞬間にほっとしました」と、当時を振り返る。

男性はその後、救急車で搬送された。

スタッフによる再現
スタッフによる再現

男性の命を救ったのは「迅速な対応」

約1カ月後、男性は施設を訪れー。

「言葉に言い表せないような表情と身振り手振りで、『ありがとう』と言われました。良かったです、ほっとしました」と、池松さんは話す。

男性の命を救ったのは、消防が到着するまでの迅速な対応。

長野市消防局警防課の担当者は、「意識と呼吸がなければ、すぐに胸骨圧迫、胸を押していただく。AEDを手配して、届くまで胸骨圧迫と人工呼吸を続けていただく。怖くて手を出しづらいと思うんですけど、勇気を出して行動していただくことが大事になる」と話し、こうした事態はどこでも起きるとし、周りの人はすぐに救助活動をしてほしいと呼びかけている。

うるおい館のスタッフ・池松洋平さん
うるおい館のスタッフ・池松洋平さん

(長野放送)

長野放送
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