上越新幹線で多くの県産品などを運ぶ試験輸送が3月8日に行われた。今回は初めて東海道新幹線と連携し、これにより新潟から全国へ輸送が可能に。一方、名古屋から届いた名物和菓子は即完売した。
日持ちしない商品も…新幹線で名古屋へ!
新潟駅の新幹線ホームに並んだ多くの荷物。

物流業界の人手不足などを背景に、JR東日本では新幹線を活用して多くの荷物を輸送する事業の展開を目指していて、この日は上越新幹線を使った試験輸送が行われた。

新潟駅からは約400箱の荷物が積み込まれ、青果や鮮魚・酒などの新潟の特産品が並ぶ中、新潟名物・笹団子などの和菓子も!

2月に新幹線輸送の事業化を発表したJR東海と連携し、今回は初めて名古屋駅への輸送を行う。
日持ちしない笹団子や大福など県内の和菓子が東京駅まで運ばれたあと、東海道新幹線に載せ替えられ名古屋駅へと向かった。

JR東日本マーケティング本部の岩原卓美チーフは「東海道新幹線によって、北海道から九州・鹿児島まで新幹線がつながるということで、全国の物流が新幹線で輸送を担えるという状況になった。“赤福”にも負けないようなおいしい食材を届けられるということを伝えたい」と話す。
届いた“赤福”に行列! わずか5分で完売
一方、新潟へ運ぶため、8日朝、名古屋駅で東海道新幹線に積み込まれたのは三重県の名物「赤福餅」だ。

赤福営業本部の島津啓彰係長は「当日製造・当日販売としているので、新潟のお客様にお届けできることは弊社としては大変うれしく思っている」と話した。

作りたての名物和菓子を新幹線で県外へ届ける今回の試験。上越新幹線に載せ替えられた赤福餅は午後3時半すぎに新潟駅へ到着した。

赤福餅が販売される店の前には長い列が…新潟駅での赤福餅の販売は今回が初めてで、構内4カ所で販売された120個はわずか5分で完売した。

赤福餅を購入した客は「両親に頼まれて来た。餅の食感がすごくやわらかくておいしいところが好き」「親戚にもあげようかなと」と笑顔を見せた。

JR東日本・地域共創部の樋口正賢副長は「良い商品を良い形でお届けすると、これだけお客様の反応が良いということも確認できた。今度はもっと数量を増やすとか、もっと違う地域の物を持ってくるとか、そのような形で今後につなげていきたいなというふうに思っている」と今後の展望に思いを膨らませた。

JR東日本は来年度以降、新幹線の多量輸送を事業化していく考えだ。
(NST新潟総合テレビ)