アメリカの映画の祭典、アカデミー賞の授賞式が10日(日本時間11日午前)、ロサンゼルスで行われる。現地では9日、ノミネートされている日本作品の関係者の壮行会が開かれ、「PERFECT DAYS」のヴィム・ヴェンダース監督、主演の役所広司さん、麻生祐未さん、柄本時生さんが参加した。

国際長編映画賞にノミネートされている「PERFECT DAYS」は、カンヌ国際映画祭ではヴェンダース監督の最高傑作との呼び声も高く、世界80カ国の配給が決まっている。

ヴェンダース監督はこの作品について、「この映画がすべての国で受け入れられているという事実は、すでに大成功を収めていると言えます。素晴らしい、たくさんの観客が来てくれたのは、まったく予想外のことでした。そして、平山(映画の主人公の名前)が世界中の人々の心を動かしたことに、本当に圧倒されています」と語った。

また、明日に授賞式を控えた心境について、役所さんは「今まで見ていたアカデミー賞の授賞式、レッドカーペットから授賞式の映像を見ていて、あそこに自分が行くというのはなかなか想像しにくくて、ちょっと緊張しています。カンヌ映画祭から始まった監督との長い旅が明日で最後かなぁと思うと、ちょっと寂しいです」と話した。

一方、柄本さんは、「監督と役所さんがどこまで行くのかというのをとにかく見届けさせていただけたらなと思います。こんな場所に来られることも本当にないので、思う存分楽しんで記憶に残したいなと思っております」と授賞式への思いを語った。

麻生さんは「もっともっとたくさんの人に観ていただきたい気持ちもあるので、ぜひ素晴らしい瞬間が起こるといいなと思っています」と受賞への期待を寄せた。
視覚効果賞には、日本作品として初めて山崎貴監督の「ゴジラー1.0」が候補となっている。

現地で取材に応じた山崎貴監督は、作品作りで苦労した点について「ゴジラ様をお迎えするにあたって、恥ずかしいものは作りたくないと。(限られた予算で)最終的にやっぱアウトプットをゴージャスで本当のものにみえるすごいものにするかというのが一番大変でしたね」と語った。
このほか日本の作品としては、長編アニメーション賞に宮﨑駿監督の「君たちはどう生きるか」がノミネートされている。