幅が狭い割に交通量が多い“危険な通学路”。児童はこれまでに、後ろから速いスピードで走行する車にひかれそうになったこともあるという。この通学路に車のスピードを抑制する段差「ハンプ」が設置された。長野市では初めてで、効果などを検証して他の通学路などにも採用したいとしている。
朝の通学時間帯にスピード出す車…
登校する児童。
隣の車道は盛り上がっている。
車は速度を落とし、ゆっくりと走行。

これは「ハンプ」と呼ばれる段差で高さは10センチあり、ドライバーに減速させるのが目的。
ここは長野市の若槻小学校の通学路。幅5メートルと狭くガードレールもない。
制限速度は30キロだが、朝の通学時間帯にスピードを出す車が多いのが実情だった。

「車が速くて、ひかれそうに…」
児童は「車が速すぎて、後ろから気づかないうちにバーッて来て、ひかれそうになった時があった」、また保護者は「車がすれ違いのために、子どもの方に突っ込んでくるというのも見たことがある」と話し、事故の危険を感じたことがあるという。

2年ほど前からPTAや学校が安全対策を求め、長野市が500万円をかけて3月3日に市内で初めての「ハンプ」を設置した。
記者が制限速度30km/hのまま通過してみた。
すると、「体に衝撃を感じ、体が浮くような感覚があった」という。
時速30キロ以下で走らないと危険を感じた。

千葉で大型トラックが小学生の列に
全国では通学路で子どもが命を落とす痛ましい事故が起きている。2021年、千葉県八街市で大型トラックが小学生の列に突っ込み2人が死亡、3人が大けがをした。
この事故を受け全国の自治体が通学路を調査した結果、7万6000カ所が「危険」と判明した。
(長野は2340カ所、2022年度末までに80%対策済)

「ゾーン30」整備 「ハンプ」設置を
国や警察庁は区域を定めて最高速度を30キロに規制する「ゾーン30」の整備を進めてきた。
警察庁の調査では「ゾーン30」の実施前と後で事故が24%減少したという。
また、自治体に対し歩道や「ハンプ」の設置で通学路の安全性を高めるよう呼びかけてきた。

児童は「一年生もいるので安全になると思います」と話す。
また、校長は「ドライバーの安全への意識を高めることにもなるんじゃないか」と、車の速度が抑制され、子どもたちの安全につながればと期待している。
長野市は、効果を確認しながらほかの通学路でも設置していきたいという。

(長野放送)