名古屋市では市立中学校へのPTAからの多額の寄付があり、「第二のサイフ」と化している問題が明るみになったが、市教委は3月6日の市議会で、税金を充てる基準を公表する方針を明らかにした。
6日の名古屋市議会で佐藤夕子市議が、PTA会費における寄付について、質問に立った。
佐藤夕子市議:
市立小中学校における、PTA会費からの寄付について質問します。学校によっては空調や校内放送設備、給食用白衣や食器、照明器具の改修工事費用などをご寄付いただいており、PTAの皆さんの中にはこの内容を知って驚かれる方もいました

本来、税金を充てるべき学校の設備や備品にPTAのお金を充てることに問題はないのかと、教育委員会への質問があった。
この問題は、東海テレビがPTA役員などの疑問の声をもとに2022年、取材を始めた。
エアコンなどの設備や授業で使う備品など、名古屋市の全校調査で過去5年間で約1億8400万円分のPTAからの寄付が明らかになり、そのほとんどで学校側のルール違反があったこともわかった。

坪田知広教育長:
学校において多くの手続き漏れがあったことは大変遺憾であり、重く受け止めております
佐藤夕子市議:
先生はいつも「お金が足りない足りない」と言っているので、そんな話を聞いていれば「PTAから何を寄付すればいいですか?」と言ってしまう。税金で購入できるものをわざわざPTAが自発的に寄付していたとするのは、会長経験者のお話からも無理があると思いますが
学校の予算が足りない中、PTA会費が都合よく使える「第二のサイフ」になっているのではないか。教育委員会は「学校で必要なものは税金で購入できるが、それでもPTAが自発的に寄付したいというから受け取っている」と取れる主張を続けている。

PTA側からは「何を税金で買えるかは保護者ではわからない」という声も上がっていて、河村市長はPTA頼みにしないため寄付について新たなルールをつくる必要性を認めていた。
Q.保護者の負担に頼ることがないように予算を増やす?
河村たかし名古屋市長(2023年12月):
増やしますよ。運用のルールみたいなものを定めますので。これは気持ちだと言われても、よっぽど慎重になる態度を前提として、そこらへんを区分けして学校の設備だとか先生の備品だとか、そういうものは予算でちゃんとやると

6日は市議が、寄付に頼らず税金を充てるべき範囲を明確にしている神奈川県川崎市など、先進的な地域を参考にしたルール作りを求めた。
市教委は、税金を充てられる基準について市のHPで公表する考えを示したが、河村市長は川崎市の状況を聞き取るなど新学期に向けてさらに検討を進めるとしている。

河村たかし名古屋市長(3月6日):
PTAの皆さんが寄付するならするで本当に気持ちよくできるように、そういう仕組みにしたいと思います。特に学校の運営費を70万から80万増やすんでしょう、1校あたりですよ。運用にも直接関係してきますから、すぐやります
(東海テレビ)