自民党の裏金問題を受けて、政治倫理審査会の2日目の審査が行われた。3月1日は安倍派の4人の議員が対象で、午前中に西村前経済産業大臣、松野前官房長官が出席したが、あらたな事実などは出てこなかった。

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午後は、塩谷元文部科学大臣と高木前国対委員長が予定されていたが、立憲民主党が小野寺五典予算委員長に対する解任決議案を提出したことで政倫審は中断。その後、この解任決議案は、自民党・公明党の与党などの反対多数で否決された。

■裏金問題のウラで…予算めぐるもう一つの攻防

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この後、国会はどうなるのだろうか。

想定されるスケジュールをみていく。

3月1日の政倫審は午後に中断されたが、予算委員会の委員長解任決議案が否決されたので、予算委員会が始まり同時進行で政倫審も再開するものと思われる。

そのあと、本丸の予算委員会が開かれ2024年度予算が話し合われる見通しだが、強行採決になる可能性もあるということだ。なぜこのようなことが起きているのだろうか。

関西テレビ 神崎報道デスク:立憲民主党を中心した野党としては、予算委員会で政治とカネ問題について追及しています。通常は審議時間が80時間というのが、1つの目安です。実は今は70時間たったぐらいです。あと10時間ぐらい足りないという状況です。政倫審も大事ですが、野党としては予算委員会で政治とカネの問題を追及して与党、自民党を追及して、岸田政権の支持率を落としたいという狙いがあります。そのためにこの10時間は非常に大切です。審議を十分に行わず、早く採決をしようとする与党に反発をしているというのが野党の主張です。今回3時間ほど引き延ばしをしましたが、なんとか審議の時間を確保したいという意味でやっています。ただ、自民党としては何としても予算を通したいので、政倫審と予算委員会を同時並行で行い、なんとか衆議院で予算を通して行こうという考えです。

■これで逃げ切りたい自民党…はたして

これで政治資金の問題は終わりになってしまうのだろうか?

関西テレビ 神崎報道デスク:自民党としては、政倫審を現役の総理まで交えて、フルオープンでメディアに公開して行ったことで、『これで十分でしょ』というスタンスです。野党としては、本当は参考人招致や、もう1つ上の証人喚問を目指したいのですが、自民党はそこに行きたくなかったので、一番手前であるこの政倫審でやった感を出して実績を作り、予算が通ってしまえば、与党にとって障壁がなくなります。もしこの後、新たな政治とカネの問題が出てきて、さらに岸田内閣の支持率が下がったり、説明を求める世論が高まれば、さらなる説明が必要となるかもしれませんが、自民党としてはこれで逃げ切りたいという思いがあります。

与野党の攻防は、このあとも続きそうだ。

(関西テレビ「newsランナー」2024年3月1日放送)

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