「安産型やな」「下に何か履いとるんか？」暴言に“お触り”…99のセクハラ認定の岐阜・岐南町長　調査報告書の中身

2023年5月、週刊文春に女性職員に対するセクハラ疑惑を報じられ、第三者委員会の調査で実に99ものセクハラが認定された、岐阜県岐南町の小島英雄町長(74)。

90ページ以上にのぼる第三者委員会の調査報告書には、尻を触ったり、背後から抱きつく、「俺の足はきれいや」と言いながら足を見せつけるなどのセクハラ行為以外に、「出産はまだか」などのセクハラ発言、さらには女性職員に「いつでも辞めさせることができる」などと脅すような発言もあったと記されていた。

「下に履いとるものはなんていうんや」

調査報告書は弁護士3人からなる第三者委員会がまとめたもので、職員や退職者合わせて271人へのアンケートや、意見箱の設置、ヒアリングなどが実施された。

報告書はまず、「多くの女性職員に共通してなされた行為」をまとめ、その後、深刻なセクハラ被害を受けた8人の女性職員について取り上げている。

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共通して見られたセクハラ行為として認定されたのは、「頭をポンポンと触る行為」で、対象となる女性は様々だったという。回数も、1回だけの人から、会う度に触られた人もいた。「不快である」との申告があり、触られた直後にアルコール消毒するものや、町長を避ける職員もいたとしている。

報告書は「親愛や、感謝、仕事に対するねぎらいを示すために身体に接触する必要はなく、頭をポンポンと触る行為は不必要な身体接触行為」としてセクハラと認定している。

そのほかにも、「手相を見たる」などと言って女性職員の手に触れる、自分の手を触らせようとする、ズボンをまくり上げてすねを見せつける、すべを触らせようとするといった行為もセクハラと認定された。

さらに、パンツルックの女性職員に「下に履いとるものはなんていうんや」などと聞いて、女性に対して下着を意味するかのようなアクセントで「パンツ」と言わせようとした事もあったとしている。

耳元でささやく…

さらに、「更年期じゃないのか」と聞いたり、袖が短い服を着ている女性職員に「なんやこの服、どうなっているの」と言って肩に触れるなどのセクハラ行為や、残業していた女性に気付かれないように近づき、顔を女性の右耳の近くまで寄せて「はよ、帰らなあかんぞ」とささやくなど、女性を不快にさせる行為もあったとしている。

8人の女性への「深刻なセクハラ」

報告書はさらに、深刻なセクハラ被害を受けた女性8人のケースを別に記載している。

Aさんは、頻繁に頭を触られた他、突然尻を触られたり、「おじいちゃんと子どもみたいだからいいよな」と言われ手を握られて肩を抱かれたりしたという。

Bさんは町長室に呼び出されて腕・肩・足・太ももを触られたり、人目に付かない場所で太ももを触られたり、「彼氏はおるんか」と聞かれたという。

Cさんは、市長室に呼び出されて頭を触る、肩を抱き寄せる、手を握るなどの行為を受け、「俺の足はきれいや」などといってスラックスを太ももくらいまでまくりあげ足を見せつける事もあったという。

Dさんは1ヶ月間ほぼ毎日町長室で手を揉まれる、腰に手を回される、頭をポンポン触られるという「被害」を受けたという。また町長がDさんの手を握っている際に、「ちょっとごめんな」などと言って、Dの袖をまくり、そのまま肘のところまで触るということもあったという。

Eさんには、「手がすごいつるつるやで、さわってみい」といって自分の手に触れるように仕向けたり、首元が少し開いているように見える服装をしていたときに、「かがんでみい」と言われた事もあったという。

Fさんに対しては、「手相をみたる」と言って手を触ったり、町長室で座って雑談している時に突然尻を触ったり、くるぶしを触ったりしたという。

Gさんに対しては何度も食事に誘い、移動の車内では頭や顔を触り、振り払われても執拗に触ったという。また本来は町長が知らないはずの、過去にストーカー被害にあった事を「警察から聞いた」と話したという。Gさんは、町長が警察に強い影響力を持っていると感じ、誘いを断れなかったとしている。町長の行為はエスカレートし、庁舎内の応接室では突然背後から抱きつく事もあったという。さらに町長はLINEや電話でGさんに連絡を取ろうとし、Gさんが対応しないでいると「時間外でも電話に出なければ人事に影響する」と告げてGさんを泣かせ、泣いたことについて逆に謝罪するようGさんに求めたとしている。

Hさんに対しては、出産に関するプライベートな事項に関して見解を話してHさんを不快にさせた他、後ろ向きに立つように命じて「安産型やな」「華奢な子は出産が大変やけど、あんたは大丈夫や」などとHさんの身体的容姿について、人格を無視するようなことを言ったと認定された。