何かと“爆買い”が話題になる中国。なんと今、若者を中心に「金」の爆買いブームが起こっているといいます。
この記事の画像(10枚)中国のSNSを見てみると、実際に「金」の装飾品を身につけた姿が多く投稿されていました。
結婚式で首に大量の金の装飾品をかけられ、お祝いされる新婦の姿や…。
腕や首、指にも金のアクセサリーをつけた男性。「全部で1525gある」と話します。
さらに、赤ちゃんの首や指にも大量の金のアクセサリーが。
そんな中、金のアクセサリーを売る中国のお店には、春節に多くの若者が訪れたといいます。
金を買いに来た女性客:
私たちの狙いは純金のアクセサリーです。今時の若者に純金はとても人気なんですよ。
店舗関係者:
全体の傾向として純金の売り上げは好調です。いま価値の高い純金は若者に大人気です。
先行きが不安な中の“手堅い投資先”
中国メディア「CGTN」によると、中国では例年「春節」の前後が金の購買シーズン。
今年は、去年に比べて多くの販売店で金の販売量が2~3割増加、1日の平均購入額は1人あたり約21万円超だったといいます。
中国事情に詳しい拓殖大学海外事情研究所・富坂聰教授は、現在中国で巻き起こっている「金爆買い」ブームについてこう話します。
富坂聰教授:
中国は昔、政権が安定していなかったので、いざというときに金の指輪だけでも持って逃げて、換金できるために、大きくてごついデザインのものだったんですけども、最近はもっとファッションセンスのある、若者が好きそうな物をちょっと小ぶりにして売っています。ブームに火が付いたのは、去年11月11日「独身の日」。バッと売れたことで、若者がすごく(金に)飛びついているというニュースになるようになりましたね。
若者が金を求める理由について、富坂氏によると、中国の若者は中国不動産への不安から、「物件を買う現金があるなら金を買いたい」と価格があまり変動しない「金」を、手が出しやすく手堅い投資先として求めているといいます。
今、中国では深刻な不動産不況など景気の先行きが不透明で、2月には株式市場も4年ぶりの低水準に落ち込んでおり、中国の不動産大手「恒大集団」も、日本円で約50兆の負債を抱え経営危機に陥っています。
――この金ブームはいつまで続くのでしょうか?
富坂聰教授:
どうでしょう…。先行き不透明感というのがありまして、ぼんやりと「この先どうなるんだろうか」と。世界の情勢も怪しいし、不動産は確定資産として持っていたいものが不安定になる。でも現金で持っているのは一番ダメですから、投資先を探している感じがあるんですよね。
そもそも親世代が「金」好きで、今の子ども世代が、今年は特に「龍」とゴールドが非常に相性がいいので、辰年ですよね。その竜の細工を施した物を身につけるのが流行っていますね。
――金ブームは中国経済がうまくいっていない兆しなのでしょうか?
富坂聰教授:
(経済が)破綻するとかそういう大げさな話ではないのですが、これまであまりにも絶好調できた中国経済が、それが続いていくという感覚は今はもう(中国国民は)持っていない。ですから、その次の、今持っている物をどうにか確定させたい、目減りさせたくないというニーズではないかと思います。
(めざまし8 2月27日放送)